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2005/07/23

「台湾」行①7月4日その2

 とりあえずホテルに着いたとはいえ、あんまゆっくりしてるような時間があったわけではない。荷物をほどいて確認してると、ほどなく約束の1330が近づいてきたため、部屋を後にしてロビーに降りる。ここまでは2人ともYシャツにノーネクタイ、ジャケットのみ装着という、まぁ日本で言えばクールビズのようなスタイルだったが、「仕事する」「取材に行く」となると仕方ない。ネクタイを結ぶ。
 ロビーで待っていると、ほどなくN氏も降りてきた。ちょっと失礼してロビーの外へ。結局のところ、このホテルの敷地内で「公式に」喫煙できるスペースは、このロビー外の小さな灰皿のみ。成田で一服して以来だから、実に5~6時間ぶりに吸う。クラクラする。C氏が到着するまで何度かロビー内と灰皿を往復した。
 これが暑い。台北国際空港に降り立ったときも暑いと感じたが、すぐに車に乗ってしまったため、ここへきて初めて台湾の暑さを実感した。避暑をとるかタバコをとるか。タバコをとるさ。決まってんだろ。
 1330。まだC氏は来ない。まぁ、これはもう馴れっこになっている。台湾へ来る以前にも何度か彼には会っているのだが、時間通りに来た試しがない。N氏も「台湾時間だね」と笑う。しかし、さすがに1340を過ぎてくると慌て始める。「確か(取材対象である)イベントは14時からだったよなあ。ここからどれくらい(の時間)で行けるのか分からんけど…」
 1345を過ぎて、ようやくC氏到着。開口一番「急ぎましょう」。いや、「久しぶり」とか「遅れてすいません」とかなんとかさぁ…。まぁ遅れてるのは事実だから、促されるまま車に乗り込む。
 その車は、台湾の国産車(だったと思う)で、色は黒。女性運転手の助手席にC氏が乗り込み、我々は後部座席へ。道々、C氏が語ったところによると、その車は運転手ごとC氏の専用車なのだそうだ。つまり公用車ってことだ。自分の車が持てるかどうかが、役人のステイタスなのだと聞かされて、日本とはポジショニングが異なるなと感じる。C氏は、日本で言えば部長クラスにあたるのだが、日本の場合、自分の専用車を持つことができるのは局長以上だ。

 それにしても台湾の人は運転が荒い。C氏は「女性ドライバーはコワいネ。ハハハ」と言うが、別に女性に限ったことじゃない。少しでも隙間があったら平気で割り込むし、追い越しも日常茶飯事。いきなり近道と称して車1台がギリギリ通れる路地裏に入り込む。赤信号で停車すると、次々にスクーターが追い越していく。停車中の車の列の一番前がスクーターのスターティング・グリッドだ。青に変わるはるかに前からアクセルをふかし続ける。台北市内の大抵の歩行者用信号には、「あと〇〇秒」の表示がついていて、ドライバーはそれを横目に見ながらタイミングを計るのだ。その上、歩行者用信号の「青」は、青い人のシルエットが歩くアニメーションになっているのだが、赤になる瞬間が近づく(日本で言えば青が点滅する状態)と、アニメーションは「走り出す」のである。
 車が到着すると、「国家音楽廰」(日本で言えば歌舞伎座? サントリーホール? それとも芸術劇場? 規模はもっとデカい)の前のスペースで、イベントはすでに始まっていた。
 日本のファーストフード会社は、台湾にもある。その台湾のファーストフード会社の新商品発表会が、今回のイベントだ。断っておくが、別にこのイベントを取材することが今回の本題ではない。むしろオマケの部類に入る。ただ、発売された新商品がライスバーガーで、なおかつ使われている米が有機米である点が、イベントの規模を大きくし、我々の取材対象ともなったわけだ。ちなみに有機米を原料に使ったライスバーガーというのは、日本も含めて世界的に例がない。
 産地は5か所。そのうち1か所の産地の人たちが、民族舞踊を披露していた。行政院農業委員會の副主任委員、日本で言えば農林水産副大臣が挨拶に立つ。
「えらく若い副大臣ですね」
 と、C氏に話しかける。どう見ても40代にしか見えない。
「前の首相の秘書官だった人。スーパーエリートね」
 台湾も色々あるらしい。

 ここで、台湾の行政機構を紹介しておこう。いや、別にその場で聞いたわけではなく、事前や事後の話を総合して判明したことだ。
 行政院農業委員會が、日本の農林水産省にあたる。主任委員が大臣、副主任委員が副大臣だ。日本の農林水産省は現在、大臣官房のほかに、総合食料局、消費・安全局、生産局、経営局、農村振興局、農林水産技術会議事務局の6「内局」と、林野庁と水産庁の2「内庁」(外局)からなっている。消費・安全局が最も新しい部署で、これができる前は「食糧庁」があった。台湾で食糧庁にあたるのが「農糧署」。署長は食糧庁長官にあたる。農糧署のトップ部門が「糧食産業組」というから、日本で言えば食糧庁計画流通部、あるいは現在の総合食料局食糧部か。糧食産業組の組長がC氏。だから食糧部長クラスにあたることになる。
 さて、イベントは進んでいく。ぼーっと見てても仕方ないので、関係者に取材したいのだが、何しろ屋外で暑くてタマランのと、言葉が通じないのとで、取材にならん。頼みの綱は日本語ができるC氏だけなのだが、どこ行った?
 あ。テレビの取材を受けてる…。ダメだこりゃ。何人かの関係者と名刺交換だけはしたものの、言葉が通じないのでは取材しようがない。
「日本からわざわざ来られたんですか。ご苦労さまです」
 日本語! 見ると、丸顔の日本人が立っている。名刺交換すると、まさしく日本人であることが判明。よし、この人が頼みの綱だ。
 Iさんの説明によると、台湾のファーストフード会社は、2つの会社から成り立っているのだそうだ。1つは経営している会社で、これは日本のファーストフード会社と台湾の大手家電メーカーとの合弁企業。もう1つは日本のファーストフード会社の現地法人で、そこの社長がIさんというわけだ。
「日本と台湾では売れ筋が違うんですよ。日本のライスバーガーは、出た当初こそ騒がれましたけど、今は3種類しかメニューがありません。台湾のライスバーガーはこれで7種類目。人気ありますよ」

 後にC氏が語ったところによると、Iさんはスゴい人なのだそうだ。
「台湾に来て半年くらいで、言葉を覚えちゃいました。だいたい6割くらいは分かるんじゃないかな。ハハハ」
 Iさん自身もこう語る。
「いや、例えばね、部下を怒ろうにも、通訳を介してじゃダメでしょ。必死で勉強しましたよ」
 Iさん、外見はどうみても私より年下なのだが、N氏より年上であることが判明。ということは50代だ。すげぇな。
 そうこうしているうちに、イベントは終了。いろいろあったけど、暑いからいいや。C氏によると、Iさんは今夜呑むメンツに入ってるそうな。じゃあ後でまた話を聞こう。再びC氏の公用車に乗って、今度は農糧署へ。明日以降の取材内容などを簡単に打ち合わせる。ここでも様々な人を紹介されたが、いちいち覚えちゃいない。
 すべて終わると、C氏がおもむろにこう云う。
「じゃあ、呑みに行きましょうか。ハハハ」
 ええっ!? もう? まだ日が高いぜ。

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