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2005/08/07

「台湾」行③7月6日その1

 0600起床、0730に食堂でN氏と顔をあわせる。ここんとこ、これが日課になってきた。メニューは毎日同じバイキング。これがまたくそマズい。
「なーんかさー、毎日同じだよね」
「同じ?」
「同じようにここで同じようなもの食って、毎日C氏と顔あわせて、あのオバちゃんドライバーの車のって移動して、毎晩大酒呑んで、深夜帰ってきて、また翌朝は早い…」
「あはは。そうですね。言われてみれば同じことばっかやってますね」
「普通さぁ、こういうのって、1日くらいは観光っていうか自由行動っていうか、あるじゃない?」
「はぁ、そういたいですね。私は初めてなんで。でもそう聞きますよ」
「でもないんだよなあ」
「C氏がマジメですからね。でも、まさか観光させろとも言えないでしょ?」
「そりゃそうだ。……そういえばキミ、確か今年の初めに台湾に来たって言ってたよね」
「ええ。プライベートで。奥さんと一緒に」
「何泊?」
「2泊だけです。毎日雨だったし、ほとんど観光でしてませんよ」
「そうは言ってもどっか行ったでしょ?」
「ええ、そりゃまぁ……ナントカいう高い建物にのぼったのと……あ、そうそう、マッサージ行きましたよ」
「マッサージ? どんな?」
「ご期待に添えるようなとこじゃありませんよ。奥さんと一緒ですから」
「あ、そうか。でも、そういうのでもいいから行きたいね。場所わかる?」
「分かりませんけど、ホテルに聞けば大丈夫だと思いますよ」
「そっかあ。じゃあ今日、万が一はやく解放されたら、行こうよ」
「いいですね」
「カネはどれくらい?」
「ええと……確か日本円で7,000~8,000円くらいじゃないかな」
「そんな安いの?」
「ええ。それで1時間だか2時間だか。それと部分的にオプションがつくくらいで」
「オプション?」
「足を重点的にやってくれとか肩とか」
「ああ、そういうのか。まぁ、いくらでもいいや。どうせカネあるし」
「ですよね。ここまで私ら、一銭も使ってませんよ? 冗談でもなんでもなく」
「だよなあ。なんか申し訳ないよなあ」

 小さなものでも目的ができると違うもんである。
 例によって0830にホテルのロビーで待ち合わせたのだが、悪びれぬC氏の到着は0840。あきらめたのか、N氏は無言。例によって女性ドライバーの車に乗り込み、高速に乗ったあたりで事件は起こった。
C氏「お二人とも、パスポートはもって来ましたよね?」
私・N氏「へっ!?……ホテルのフロントに預けてありますけど……?」
C氏「アイヤー」
 何事がC氏が早口で告げると、女性ドライバー、大きく舌打ちして、「その場で」アクセルターンをかけた。
N氏「な、なんです?」
C氏「飛行機に乗るのにパスポートなり何なり、身分証明書が必要なんです。持ち歩くのが常識だと思って訊かなかったんですが…」
私・N氏「……」
 聞いてください。陪審員の皆さん。国内線に乗るのにパスポートが必要だなどと、誰が予想できるでしょうか(注=もちろん身分証でいいのだが、日本の身分証が通用するわけがないので、この場合はパスポートのみ有効)。それにですよ? 1日目にはジャケットにパスポートを入れてたんですが、あぶなっかしくってしょうがないんです。
 大急ぎでホテルまで戻り、フロントからひったくるようにパスポートを回収、再び車に飛び乗ったところで、ドアも閉めてないのにスタートさせる。
C氏「間に合う確率30%切ったね。ハハハ」
 笑い事か!

 しかし、ここで我々は、台湾中央官僚のスゴさを垣間見ることになる。何と、「間に合ってしまったのだ」。

 空港に着いた際、運良く便はまだ出発こそしていなかったが、チケットこそ購入済みでもチェックイン手続きに時間がかかる。しかも台湾ではもう夏休みに入っており、空港ロビーは家族連れでごったがえしていた。律儀に順番を守っていたら、間に合うわけがない。そこをC氏は、自分は中央官庁の、それもかなりハイクラスの人間である、早く通さないとあなた自身が困った立場に置かれるぞといったようなことを主張し、行列をすっとばして手続きさせたばかりか、(これは後から聞いた話だが)我々が乗り込むまで飛行機を止めさせたらしいのだ。日本だと、外務省と国会議員を除けばこうはいかない。うーむ。ともかく大急ぎでチェックインを済ませ、空港内を走りに走って当該の便に乗り込み、我々がシートベルトを締めたことを確認した途端、飛行機はタキシングを開始した。すげーな。
 ここでちょっと説明しておくと、台湾の面積はほぼ九州くらいで、国内の移動手段は日本よりよほど飛行機が発達している。ただし大半がレシプロ(プロペラ機)。我々がこのとき乗ったのは小型のビジネスジェットみたいなやつだったが(機体の横をチラリと見たらマグダネル・ダグラス社製だった)、わずか30分ほどで目的地に到着。今度は滑走路上を歩かされるという貴重な体験をさせてもらった。
 台東空港ロビーの外には、すでに連絡しておいたらしい地元の人間が待っていた。ここで再び説明しておくと、農糧署の下には4つの分署(東區、中區、南區、北區)があって、それぞれの分署長はC氏と同じクラス。ただし中央にいるためC氏が最もエラいのだそうだ。迎えに来ていた1人は、まさしく東區の分署長だったのだが、驚いたことに女性である。そういえば台湾の官僚には(幹部クラスであっても)やたらと女性の多さが目につく。
 ドライバー、C氏、私とN氏の4人が乗った車の後に、東區分署長の車やら何やらが数台つづく。さながら大名行列だ。この隊列によって、ここから1日、産地取材が続くことになる。再び中央官僚のスゴさを思い知らされた。

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