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2005/08/09

「台湾」行③7月6日その2

 仕事の話は、説明が長くなるのではしょる。最初に行ったのは、初日のライスバーガーの原料に使われた有機米産地の1つ。次は、去年コンテストで米づくりナンバーワンの座に輝いた農家が経営するレストラン。その人が所属する生産部会の事務所、同じくその部会が所属する農會(農協)、その農會に所属する別の農家の農場。大きく移動して別の農會もまわった。
 最後の目的地を終えたところで、C氏が騒ぎ出す。帰りの飛行機の時間が迫っているというのだ。ここまで我々が移動に使っていたのはワンボックスタイプの車だったが、ここから空港までは違う車に乗り換えた。後から聞いたところでは、東區分署長の持ち車(公用車)を借りたのだそうだ。こっちはロイヤルサルーンといった趣。正直言って、C氏の公用車より数段高級だ。
「位は私のほうが上なのに、地方官僚の車のほうがいい車でしょ。これが台湾の官僚の実態ですよ。ハハハ」
 ……ひょっとしてC氏、くやしい? ねぇくやしいの?
 時間が切迫しているため、車は猛スピード。他の車をどんどん追い越していく。何度かパトカーとすれ違ったも咎められないのは、これが中央官僚の乗る公用車だから。フロントガラスのところに張ってある「公務遂行中」の表示が見えるわけはないから、東區分署長あたりが地元の警察に連絡してあったものらしい。やはり中央官僚の権力は絶大である。
 おかげで空港には余裕の到着。搭乗を待っている間、C氏に衝撃的な告白を聞かされる。
「今日の夜はRさんが持っているお店の1つに行きます」
 ……す、隙間がない。つまりマッサージはお預けということだ。N氏と私は思わず顔を見合わせた。
 帰りの飛行機はレシプロ。これが揺れる揺れる。そんじょそこらのジェットコースターなんざ目じゃないくらい揺れる。ぐったりしたまま店へ。たまに日本語をしゃべる酒豪のおっさん、Rさんはまだ来ておらず、我々を出迎えてくれたのはおひょいさん似のおじいちゃん、Gさんのほうであった。

 面白い造りの店舗だった。1階が全面ガラス張りの中華レストランで、2階が茶房(っていうのか?)になっている。日本の観光ガイドブックにも広く紹介されているそうで、日本人の若い女性が結構くるそうな。「まだ時間がある」とのことで、まずはおひょいさんに2階へ案内された。
 1階と同じだけの床面積なんだから、そりゃ広い。そこかしこに茶場がある。茶器を並べてあるテーブルの前に、椅子が数脚か。これが複数セットあるわけだ。その1つに並んで座ると、テーブルの向こうに座った妙齢の女性が、かなり時間をかけてお茶を淹れてくれる。待ってる間は、茶器の前に並べてある乾き物(カボチャのタネとか乾燥イチジクとか、そういった類のもの)をつまんで話に花が咲く。なんともまぁ高級なとこだこと。
 小一時間――もいなかったか、1階に降りてみると、まだ酒豪のおっさんは到着していない。さぁどうしようか、というところで、C氏が妙な提案をする。「ほら、あの奥のテーブルを見てください」。我々が座っているテーブルのさらに奥、ガラスで仕切られた奥に大きめのテーブルがあって、10人近いおっさん(というかおじいちゃん)達が座っていた。このくそ暑いのに、揃いも揃ってスーツ姿。つまり、かなりハイソな方々というわけだ。
「あれは、台湾財界の要人たちがほとんど揃ってますね。ハハハ」
 この店のオーナーが酒豪のおっさん。そのおっさんが所属する企業集団(グループ)のトップが、「財界席」の主催者であるらしい。C氏、何やら若い女性を呼んで密談。この女性、実はこの店のマネージャーで、まだ26歳だというが、かなりなやり手なんだそうな。ほどなくして、女性が我々の席を離れ、財界席へ。
「グループのオーナーを紹介しますよ。こんなチャンスは滅多にない。インタビューするといい。ハハハ」
 ……え?

 集団トップ氏が我々の席にいたのはほんの数分のことだったが、なんとなくインタビューっぽいことはできた(これは後に記事にした)。C氏は、
「日本で云えば、経団連の会長クラスの人ね。あなた方はインタビューできてラッキーだった」
 と、つまり自らの機転を誇りたいらしい。N氏は「そうですね」とか何とか相づちをうっていたが、C氏は私の態度が気に入らなかったらしい。何故かというと、恐れ入っていなかったからだ。
 申し訳ないが、この商売、そんなことでいちいち恐れ入っていたら務まらない。ペーペーだろうが役付だろうが、「記者」と名がつけば、社長だろうが首相だろうが会って話を訊くのが仕事なのだから。後で分かることだが、台湾のジャーナリズム事情はやや異なるらしい。まぁ仕方ないが。
 後から到着した酒豪のおっさんに、C氏が事の次第を説明したようだ。食事が始まってから酒豪のおっさん、「大したことないおっさんだったでしょ」と耳打ちしてきた。
 トータル2軒まわったあげく、ホテルに帰るタクシーに押し込められたのが午後10時。まぁ奇跡的に早かったと言えるだろう。でも……
「今日も明日も(朝が)早いし、さすがにマッサージはやめときますか?」
「いや、行こうよ」
「ええっ!? 行くんですか? だって、今から行ったら帰ってくるの12時まわりますよ」
「だって、この調子じゃ明日もあさっても無理そうじゃないの」
「そりゃそうですけどねえ」
 ……というわけで、いったんホテルに戻って軽くシャワー浴びたあと、マッサージ屋をめざすことに。やれやれ。まだ今日が終わらない。

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