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2006/04/14

ウルトラマンメビウス 第1話「運命の出逢い」

 いや、驚いた。前作「ウルトラマンマックス」から時間帯まで変えての今作第1話。スタンダードと冒険の中間とでも表現すべきか。

 円谷ウルトラマンのシリーズは、「ウルトラQ」をちょっと除いて「ウルトラマン」以降、「ウルトラマンレオ」まではほぼコンスタントに作品を重ねてきた。この後、さすがに記憶が怪しくなるのだが、「ウルトラマン80」とアニメーション版「ザ・ウルトラマン」との間に何かあったような……。ともかく、しばらくの間お休みとなる。とんねるずとの合作などのイレギュラーは置いておくとして、本格的に再開したのは「ウルトラマンティガ」から。その後、ほぼ2~3作に一度の小休止を入れて、今作の場合は劇場版「URTRAMAN」から「ウルトラマンネクサス」、「ウルトラマンマックス」、「ウルトラマンメビウス」と続いてきた。したがって比較するなら前2作ということになるわけだが、これが非常に鮮やかと云っていい。
 よく観てなかったので知らないのだが、世間的な評判通り「ネクサス」は、「大人のドラマ」とやらを求めるあまり、本来のターゲットである子どもには難解な作品になってしまったらしい。最後には劇場版「URTRAMAN」とのつながりが明らかになる(劇場版の続きという設定)など、なかなか意欲的な作品であったらしいのだが、マーケティング的には「失敗」と云ってよかろう。事実として4クール(1年)の予定が3クールで打ち切りになっている。
 円谷ウルトラマンが素晴らしいのはその後の対応である。「マックス」ではコンセプトを完全にひっくり返した。あからさまなほど子どもに向かってストレートな設定とし、多分にオマージュなども盛り込むものの、同じ話のなかで子どもの食いつきを常に意識するという徹底ぶり。一方で金子修一や三池祟などのメジャー監督に演出を任せることで、ある種の「実験」も展開するという意欲を見せた。とはいえ、「ネクサス」の打ち切りによってイレギュラーに始まったとおぼしき作品のため、準備不足の感は否めず、当初から3クールの予定で終わってしまった。

 さて、ようやく今作「メビウス」である。ちょうど「ネクサス」と「マックス」の中間と云っていい。それは、特徴的に設定に現れている。ネクサスは全く独立した世界観のもとに描かれていたが、マックスは「M78星雲からやってきた」という設定。ただしウルトラ兄弟であるか否かは明かされなかった。対してメビウスは、何と話の冒頭からいきなりウルトラの父が登場し、「地球へ行け」と命じるのである。背景には次々に第1~第2シリーズ(ティガ以前)のウルトラ兄弟たちが登場する(レオ、アストラは従兄弟かなんかじゃなかったか?)。また登場する怪獣も、ネクサスでは完全オリジナルだったが、マックスではたまに旧作怪獣(ばるる……バルタン星人とかゼットンとか)が登場していた。メビウスでも同様らしく、第2話の予告ではグドンが見えた。ということはツインテールも……?
 ところが意欲的な側面もあって、それまでのウルトラマンのタブーを犯してもいる。例えば、かつてのウルトラマンなら、科特隊のような組織がまずあって、そこへ新入りメンバーとして加わるの主人公がウルトラマンに変身するというのが基本的なラインのはずが、メビウスではいきなり科特隊側が全滅してしまう。で、新生・科特隊のメンバーになるであろう人物を一人ひとり丁寧に紹介した上で、いつのまにやらメンバーに加わっていた主人公側が、むしろ他のメンバーを勧誘するのである。この逆転の構図だと、メンバーのキャラクターを最初から立たせることができる。考えたものだ。
 またウルトラマンでは、(まさか名乗るわけにもいかないので)最初にどうやって登場人物へウルトラマンかと認識させる設定に工夫が必要になる(例えばティガだと主人公が『ウルトラマンティガなんてどうでしょう』と提案してまわりがそれはいいとなるのだが、それはあまりにも不自然だ)。メビウスではこの部分を、過去のタブーを犯すことで解決してしまった。何とこの世界観では、ウルトラマンや怪獣という存在が既存のものと考えられており、「いつか襲来する怪獣」に備えて科特隊を組織しており、ウルトラマンも怪獣も25年ぶりに現れたということになっているのである。したがって今作で初めてメビウスを見た登場人物たちは「あれが伝説のウルトラマンか」と口にするのだ。この設定はすごい。
 しかも、確かにメビウスは怪獣を倒すのだが、そのメビウスに対して、登場人物の1人(最初に全滅した科特隊の生き残り)が「誰も救ってないじゃないか」と罵るのである。そりゃそうだ。気づけばメビウスが怪獣と戦った後は街が破壊されつくしている。この、本来ふれてはならない暗黙のタブーに、あえて真っ向から挑戦している点に、非常に意欲的なものを感じる。さらにこの生き残り、ウルトラマンが現れた以上は科特隊なんていらないじゃないかと落ち込んでみせたりもする。うーむ。すごい。
 オマージュだってあるぞ。旧作ウルトラマンを観ていた人なら、恐らく目をつぶって今作を見ていても気づいたはずだ。SE(効果音)である。科特隊の戦闘機の飛行音やミサイルの発射音に、旧作のものを採用しているのだ。ちょっとウルッときてしまった。

 それにしても、作品を重ねるごとに過去の反省を踏まえる、この変わり身の良さはどうだ。まさしく変身である。こうした円谷ウルトラマンの姿勢と対極に位置する石森仮面ライダーの反省のなさは何に起因するものなのだろうか。

 とまれ、第2話以降が楽しみな作品となった。

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