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2006/05/08

逆境ナイン

100

 購入したDVDをようやく鑑賞。

 非常に困っている。前にも書いたが、このテの作品は、話を紹介するとネタばらしになるので書けない。もう1つ困っているのは、この作品、欠点らしい欠点が見あたらないのだ。

 そもそも原作は、制作当時、10年以上前に出版されていた作品だし、しかも絶版になっている(今では映画化をきっかけに新版が出ている)。「海猿」で(内容はともかく)興収を稼いだ監督が次に手がける作品としては、ふさわしいとは云えない。しかも脚本はTVのバラエティ作家である。興収を稼ごうという意欲が全く見られない。これにプロデューサーを加えた3人が、ただ「ファンである」が故に、第1稿脚本を携えて北海道に原作者を訪ねるところから、この作品の制作はスタートするのである。原作者自身が後に笑いながら語っている通り、「ちゃんとしたオトナの、しかもプロのすることではない」のである。それは何故か。莫迦だから、である。

 こういう意味での莫迦は大好きなのだ。

 まず監督は、こういう莫迦な作品をやるためには、主役が重要だと考えたそうだ。それは、無名の役者であってはならない。本来であれば一線級で活躍する、とてもこういう役を受けそうにない人が主役を張らなければつまらない。何故ガオシルバーはこの役を引き受けたのであろうか。莫迦だから、である。

 莫迦な男は大好きである。

 一応高校野球を舞台にした話なのだが、その学校の校長が「日本一崖の似合う役者」。野球部の監督が「原作の大ファンであるお笑いコンビの片方」。野球部のマネージャーが「原作者がストーカー行為に及ぶほどの美少女アイドル」。

 ……みんな莫迦なのである。

 もちろん監督は撮影中、何度か「こんな莫迦なことをやっていていいのだろうか」とくじけそうになる場面にでくわす。ところが主演俳優が撮影中、自らの演技と吐いた科白とに、感涙の涙を流したそうで、それを見て「オレがやっていることは間違っていない」と確信したそうだ。

 ……勘違いである。

 作品の出来は100点。莫迦なのでマイナス100点。莫迦が大好きなのでプラス100点。往った復したで100点が私の結論である。

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コメント

 に、2か月以上も空いてしまって申し訳ない。本当はそちらのサイトに書き込んだほうがいいかとも考えたのだが、何を今さらという感じもあるため、こちらへのレスでご勘弁願いたい。「逆境ナイン」100点の評価に胸がスッとしたとのこと。分かっていただける人がいてこちらこそ嬉しい限り。何度かコメントしている通り私はお莫迦な作品が大好きなだけなのだが。仰るとおり観もしないで評価するような輩は放っておいたほうがいい。それは参政権も行使せず政治がダメだと指摘するようなものだ。いや、何かひどくカタい云い方になってしまったが、ご賛同いただけてこちらこそ大変嬉しいとだけ云っておく。

投稿: Smith | 2006/07/16 21:06

はじめまして、しゅうじといいます。逆境ナインが100点という記事を見て、嬉しくなったのでコメントさせて頂きます。僕も全くの同意見なのですが、友人に勧めても「あんなの見ないよ」の1言で片付けられてしまいました。気に入る気に入らないは、まず見てから言ってほしいのですが、残念ながら見る前の段階で逆境ナインはダメの烙印が押されがちな状況のようです。実に残念です。100点の記事を見て胸がスッとしました。ありがとうございます。

投稿: しゅうじ です。 | 2006/05/08 01:44

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