« 容疑者 室井慎次 | トップページ | ウルトラマンメビウス第6~11話 »

2006/07/16

ALWAYS~三丁目の夕日~

92

 すでにDVDも出てるのに、何を今さらという感じだが、ちゃんと劇場で鑑賞。
 西岸良平の原作「三丁目の夕日」とは全くの別物と思ったほうがいい。あれをどう料理するのかと思ったが、どうしてどうして、山崎貴はうまく構成している。昭和33年頃の(たぶん)今の虎ノ門3丁目あたり。最初、スクリーンを観ていたときは愛宕下通りかと思っていたのだが、だとすると東京タワーとの位置関係がおかしい。したがって虎ノ門交差点から続く通りのうち、ニューオータニ寄りの通りということになるから、ちょうどJetroとかアメリカ大使館のあたりなのだろう。確かに昔あのあたりには都電のルートがあったはずだ。そこに住む自動車修理工場「鈴木オート」がメイン舞台。お父さん役の堤真一がなかなかいい。ああいうキレ方をするお父さんばっかだったから。ああいう演技ができる人だとも思わなかったけど。ただ、鈴木オートのガラス戸をバーンと割ってのっしのっしと飛び出してくるシーン、ワイヤーで引きつつCG処理したのだろうが、あんな小細工は必要だったのか。まぁいいや。奥さんは薬師丸ひろ子で、1人息子がいる。原作ではほぼこの子が主人公と云っていいが、まぁ今回は脇役だ。その鈴木オートへ、青森から堀北真希が集団就職で上京してくるあたりから話が始まる。上野駅は――そうそう、あんな感じだった。汚い床で、ともかく人がいっぱいいて、浅草口の改札の向こうが全部終点で、特急の名札がぶら下がってた。上野駅を出ると、2階まで車まわしのある大きな駅だったことが分かって、別に駐車場でもないのに車がやたらと止まっていた。画面に映ってないが、あの向かい側に今はビルになっているヤマシロヤというオモチャ屋があって、その隣に今は丸井がある。
 ……いかん。どうも思い出話になる。しかし、実はこの作品が描く東京は、オレにとって決してリアルタイムではない。ちょうど10年くらいズレてるかな。けど、断片的に記憶と一致するところがいくつか出てくる。小雪みたいな妖艶なおねーさんが街の片隅に立ってたような気がするし、吉岡秀隆のような若い作家センセイみたいなやつ(原作ではおじいちゃん)もいた気がする。まぁリアルタイムでないところは減点要素かな。それと、ちょっとショックだったのだが、少年たちが空想の翼をはためかせて「未来」の街へと(CGで)移るシーンがある。ちょうど故・小松崎茂(プラモデルの箱の絵を描いてた人)の世界だ。しかし……山崎貴えがくところの「未来」とは、要するに「現代」なのだ。自分も齢をとったなあとかなんとか、複雑な気持になってしまってショックだった。
 役者としては、堀北真希に注目したい。実は、上京してきた当初のシーンでは、あれが堀北真希だとは気づかなかった。堤真一とのケンカのシーンになって、初めて気づいたほどだ。今までで一番あっている役なのではないか。いや、考えてみると堀北真希は、実に器用にそれぞれの役をこなしている。チョコレートか何かのCMで上戸彩なんかと共演してるやつがあるが、あれだと実に目立たない。薄幸顔なので明るい役は似合わないかとも思ったが、要するに堀北真希は、役さえ与えられればこなすが、唯一演じられないのが「自分」なのではないか。
 この作品、たぶんDVDを購入しそうな気がするので、そんときにまた書くが、書きたいことがいっぱいある。でも最後に一言だけ。この作品の真の主役は吉岡秀隆のとこに転がり込んでくる子どもである。子どもを主役に据えるのは卑怯である。
 ウルッときてしまったではないか。

|

« 容疑者 室井慎次 | トップページ | ウルトラマンメビウス第6~11話 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ALWAYS~三丁目の夕日~:

« 容疑者 室井慎次 | トップページ | ウルトラマンメビウス第6~11話 »