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2006/07/25

カーズ

100

 んでもって、ピクサー×ディズニー最終作である。日比谷スカラ座にて鑑賞。結論から云うと、ディズニーよりピクサーに軍配、ということになる。正直なところ比べるのも失礼な話だ。お互いに。だってディズニーは、要するに「絵が動く」ことの楽しさを伝える作品だけど、ピクサーは話の面白さを伝える作品だ。CGの技術レベルは同じでも、そこの根本が違うのだからそもそも比較するほうが間違っている。その上で、悪いがオレの好みは圧倒的にストーリー派。すなわちピクサーである。
 例えば「チキン・リトル」はニワトリ、「カーズ」は車を、それぞれ擬人化した話ではあるが、前述したように「チキン・リトル」はニワトリを擬人化することの必然性がないのに対し、「カーズ」は説明されるまでもなく車でなければダメな世界の話なのだ。そりゃもぉ徹底していて、ブンブン飛んでるハエまで車である(牛はトラクターね)。ピストンカップなる自動車レースが開かれるのだが、その最終戦で3台の車が同着ゴール。この3台による優勝決定戦が特別に開かれることになる。場所はロサンゼルス。主人公、ライトニング・マックイーンは、トレーラーでロサンゼルスへ移動中、ひょんなことからルート66上の忘れ去られた街、ラジエーター・スプリングスへ迷い込む。ここで彼は、得難い「仲間」の存在を知ることになる――ね? 話だけ聞いてると子ども向けとはとても思えんでしょ? 確かに子どもは途中で飽きて走り回ってたさ。多分ディズニーだとこういうことはないんだろうな。でもいいのだ。オレ別にこれが子ども向けの作品だなんて思ってないもん。だってあんた、たかが「喋る車の話」ごときに、大の大人が最後ウルッときちゃうんですぜ?

 ピクサー作品のいいとこは、声優の起用にも現れている。妙な話題づくりのためだけの役者くずれみたいなのは起用せず、プロの声優か、ちゃんと「声」でも演技できる役者をキャスティングする。これは吹替版も同様だ。例えば原語版の場合、かつてのチャンピオンにポール・ニューマン(!)、万年2位の車にマイケル・キートンを起用しているが、ともに「声」の仕事を何度もこなしたことのあるベテランだし、ポール・ニューマンに至ってはかつてル・マンで2位に入ったことのある現実の実力派でもある。吹替版の場合、主人公の「親友」レッカー車にグッさん、妙なイタリア語訛りを話すフィアットにジローラモ(うまいでしょ)。このフィアット、フェラーリ好きで、最後のシーンにまさしくフェラーリが3台現れるのだが、うち1台の声をやってるのが(原語版だと)ミハエル・シューマッハ(!)こういう遊び方は大好きだ。オレは吹替版で観たのだが、ポルシェの女の娘役をやってる戸田恵子がいかにも「洋画」だし、洋画の吹替で大抵軍人役が多い麦人がジープ役、同じく警官役が多い池田勝がパトカー役、といった配置も心地よい。
 ピクサー作品というと必ず本編の前に関係ない短編が1本入るのだが、今回のも良かったなあ。でもこの短編は、「モンスターズ・インク」とセットだった「THE BIRDS」が未だにベストワンだな。実は今回、「カーズ」のなかにワンカットというかほんの一瞬だけ「THE BIRDS」のキャラクターが登場する。

 またピクサーというと、必ず次回作の予告編が入る。今回の予告編ってことは、つまりピクサー単独あるいはディズニー以外と組む1作目ってことだ。これが良さそうなんだよなあ。パリの地下に住むグルメなネズミの話(笑)。同じ予告編でディズニーのCG次回作もやってたんだけど、こっちはさぁ…。動物園に飼われていたライオンの父子がいるんだけど、息子ライオン「ライアン」が外に売りに出され、それを追いかけて父ライオンが仲間と一緒に旅をする話――って、それってまるで…。タイトルの「ライアンを探せ!」って、原題はまさかファインディング・ライアンあるいはプライベート・ライアンじゃあるまいな。もぉディズニーってジャングル大帝ライオンキングといい、パクリばっか。

 つまり今回、予告編を見ただけで、オレのなかではディズニーよりピクサーに軍配があがっていたのだ。

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