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2006/09/05

ウルトラマンメビウス第21話「虚空の呼び声」第22話「日々の未来」

 前後編だったのでまとめてみた。いや、非常によくできた、そして考えさせられる話だった。

 第21話では、「ウルトラゾーン」なるブラックホールのような存在の奥から発せられてきた遭難信号をキャッチし、珍しく(最近ではそうでもないが)サコミズ隊長自ら率いるGUYSが救出に出撃する。ウルトラゾーンの向こうは「怪獣墓場」につながっていて、ゴモラ、レッドキング、インセクタス、ディノゾールリバースといった怪獣たちが漂っていた。もちろんシーボーズも。発見した救難信号の発信源は宇宙貨物船アランダス(のカーゴベイ部分)だったが、発信は自動であり、搭乗していたとおぼしきバン・ヒロトなる人物の姿はなかった。そこへ現れるのがレッサーボガール。「あの」ボガールの変異同種体だ。お約束通りメビウスが倒すわけだが…。

 第22話は、地球上にレッサーボガールの同種が現れるのだが、これを縦軸に、横軸はサコミズ隊長、ミサキ総監代行、ミライの3人が訪ねたバン船長(バン・ヒロトの父親)の話になり、回想シーンをまじえて、アランダスとバン・ヒロトが亡くなるまでのいきさつ、さらに地球へやってきたメビウスがバン・ヒロトの姿を借りてヒビノ・ミライと名乗るまでの話が描かれる。

 以下、分かったことと推理をいくつか。

 火星に住んでいたバン親子。母親を「5年前に」亡くしたヒロトは、父親が船長を務める宇宙貨物船アランダスに勤務していたが、突如現れたウルトラゾーンから逃れるため、自らの身体を犠牲にして父親らを救う。
 光の国で訓練を積んでいたルーキー・ウルトラマンであるメビウスが、ウルトラの父の命を受けて地球へ向かう途中の火星軌道上で、その光景を目撃。ウルトラゾーンへ落ちていく(ヒロトが乗っている)アランダスを救おうとするが、寸前で失敗する。
 父子の絆に感動したメビウスは、地球へ降り立った際、ヒロトの姿を借りて人間として暮らしていくことになるが、同時に「救えなかった」ことが心の傷として残る。
 後に引退し、地球で暮らしていたバン船長を、サコミズ隊長とともに訪ねたメビウスは、その際のバン船長との会話から、今後ともヒロトの姿で暮らしていくことを決意し、同時にヒビノ・ミライと自ら名乗るようになる。

 つまりメビウスは、それまでの人間の身体を借りるウルトラマンのパターンとは異なり、似せて地球に降り立っていることになる。それからサコミズ隊長は、バン船長との会話から、以前(セリザワが隊長を務めていた当時か)には「キャプテン」(何かの船長?)を務めていたし、ミライの正体(メビウス)を最初から知っていたことになる。恐らくはミサキちゃんも(でないと最後のほうのシーンで助け船を出したことの理由が説明できない)。

 これはうちの奥さんが指摘していたのだが、現在の話のなかで、ミライがサコミズ、ミサキとともにバン船長を訪ねる際、サコミズがミサキより上位であるかのような態度をとっていた(出入りする順番など)。いくら年上でも軍事組織のなかで階級が絶対であることを考えると、ミサキちゃんが総監代行なら、サコミズが隊長兼総監である可能性は高い。それと、ミライ(メビウス)を最初からスンナリ受け入れたことになるから、サコミズ自身がウルトラ一族(ゾフィーとか?)か、あるいはウルトラ一族と以前からつながりを持つ人物であるということになる。

 ちょっと分からないのは、バン船長の奥さん(ヒロトの母親)が、「5年前にナメゴンにやられて死んだ」という科白だ。確か25年の間、怪獣もウルトラマンも現れなかったという説明だったはずだから、これは矛盾する。もっともバン一家が住んでいたのは火星だから、「地球に」現れなかった期間が25年なのであって、火星には現れていたのかもしれないが、だとすると宇宙怪獣ではないナメゴンが火星にいた理由に説明がつかない。そこでアランダスが運んでいた「スペシウム」という鉱石(?)の存在だ。何らかのエネルギー源になるという説明だったが、ヒロトは「スペシウムもろともウルトラゾーンに消えた」。このあたりの事情が後の設定に活かされていくのかもしれない。

 現在の話では、一応レッサーボガールを倒しはしたものの、それで怪獣が来なくなるのでは話が終わってしまう。自らウルトラゾーンを作り出し、潜むことができる能力が、今後活かされていく可能性はあろう。

 非常によくできた脚本だ。感心したのは、前後編あわせて監督は同じ村石宏實だが、脚本は異なる点だ。21話は谷崎あきら、22話は赤星政尚。うまくまとめたものだ。まさか同一人物じゃあるまいな?

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コメント

こんにちは。MOです。
いつも感心して本ページを拝見しております。

今回の話ですが、さすが二話連続を使っただけあって練られた話だったなあ、と思います。
で、今回の貴兄のコメントで?と思われる部分がありましたのでチョット(by大黒摩季)だけ。

まず、ナメゴンですがあれはれっきとした宇宙怪獣です。
ウルトラQに出てきたのは周知の事実ですが、地球が火星に送ったロケットがなぜか地球に帰ってきてしまい、その中に入っていた金色の玉(っていっても白黒だったからなあ…)が変化して生まれた怪獣で、火星怪獣とか宇宙怪獣っていう呼称になっています。二つの金の玉(語弊があるなあ…)はナメゴンの卵だったみたいです。

火星からスペシウム、っていうのは言うまでもなくウルトラマンの設定ですね。宇宙忍者バルタン星人が地球で暴れまくったときに、防衛隊の『はげたか』核ミサイル!ですら倒せなかったのです。んで、その後にアラシ隊員に憑依した(のか操っていたのか)バルタンが口を滑らせて

「カセイニハ、ワレワレノキライナ×○※」
「どうした、なぜ黙ってる」(←ハヤタ)
「ソレハイエナイ」

とのたまいましたね。ムラマツキャップがその後気づいたのですが入手手段がない。

「あるいは彼なら…」

といった後、ウルトラマンが手をクロスさせて放ったスパークにより、一撃でバルタン星人を撃砕した故その物質がスペシウムであることがわかったというシーンは懐かしく且つかっこいいです。

今回の、『火星からスペシウム』『ナメゴンに襲われて』っていうのは多分ファンの琴線を震わせる設定だと思います。
エネルギー(物質)としてのスペシウムを題材にしたのは『ウルトラマンダイナ』に出てきた『マウンテンガリバー5号(これもティガ知っている人だと笑えるなあ…)』が持っていた『スペシウム砲』以来かもしれません。

後、これは間違いじゃないですがメビウスの変化形態ってウルトラセブンですよね(『それまでの人間の身体を借りるウルトラマンのパターン』って仰っているのでわかっていることだと思っております。失礼)。
ウルトラセブンも、恒点観測員340号として地球に来たとき、山で仲間を救うため自分のザイルを切って犠牲となった青年、薩摩次郎の行動に感動し、その姿をモデルにして地球で生活していましたからミライ君と同じかなあ、って。
でも、薩摩次郎はセブンに助けられたんだけどバン・ヒロト君は今見る限りでは助かっていないんですよねえ。悲しいストーリーです。

ハヤタ、郷、北斗(南は月星人でしたね)、東もそうでした。
おおとりゲンは、特にモデルはなかったような記憶がありますがレオの変化じゃなかったかな?

いずれにしても、そこここに過去のウルトラシリーズをモチーフにした話や設定がちりばめられていて、知らなくても楽しく、知っていると二度オイシイ、うれしい番組だと思います。

投稿: MO | 2006/09/05 11:23

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