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2006/11/06

ザ・エージェント

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 1996年の作品ながら観た当時ひどく感激した記憶がある。DVDが出たとき飛びついて購入したのだが、購入したらそれで満足してしまい(よくあるでしょ?)、長いこと放ったらかしにしてた作品。故に3日、DVDにて鑑賞。

 原題の「ジェリー・マグワイア」とは主人公(トム・クルーズ)の名前。よく考えてみると日本語タイトルは本作の1側面しか表現しておらず、原題は見事に表現していると云える。
 主人公ジェリー・マグワイアは、スポーツ・エージェント。最近でも松坂がメジャーに移籍するのに代理人にスコット・ボラスを充てたでしょ。ああいうのをエージェントというのだが、要するに選手本人に代わって契約交渉をする商売。といってもジェリーの場合は個人でやってるわけじゃなく、SMI(スポーツ・マネジメント・インターナショナル)という会社に所属している。つまり会社の看板を背負ってエージェントをやってるにすぎないのだ。ましてや終身雇用が存在しないアメリカ社会のこと。ささいなミスが命取りになる。
 ジェリーはエージェントとして凄腕で、数多くのスポーツ選手をクライアントに抱えているのだが、それはつまり選手の報酬を吊り上げ、なおかつ選手そのものは使い捨てにする行為にすぎない。クライアントの1人であるフットボール選手がケガを負ったとき、その息子に罵られたのをきっかけに、1つの提案書を書き上げ、社内に公開する。それは、クライアントの数と報酬を減らし、もっと親身になろうという内容。人間として誠にまっとうではあろうが、利益を追求する企業にはあるまじき行為。故にジェリーは、解雇される。
 こうなるとサラリーマンなんて冷たいもんで、会社を飛び出し独立したジェリーについてきたのは、彼の提案書に共感した経理の女の子だけ。即座に自ら抱えていたクライアントに個人との再契約を求めるが、どんどん逃げられていく。残ったのはフットボール界でメジャーな選手1人とマイナーな選手1人だけ。しかもメジャー選手には裏切られ、哀れジェリーはクライアント1人と経理の女の子1人だけを抱える個人事業主に身をやつしてしまうことになる。

 話としては、ここから唯一のクライアントが小さな1つの成功をおさめるまでと、ジェリーと経理の女の子との恋愛が同時進行で描かれる。
 そう、実はこの作品、ベースはラブストーリーなのである。

 オレは基本的にラブストーリーだけの作品は見ないようにしている。莫迦げているからだ。確かに恋愛している当の本人たちには周りの景色なんか見えていまいが、世界は恋愛だけで成り立っているわけではない。みんな呼吸して食事して仕事して生活しているのだ。そうした要素を排除されたラブストーリーというものに何ら価値を見いだせない。恋愛を物語の1要素と捉えた作品、あるいは基本に恋愛があってもいいが、それだけで話を紡がない作品なら認めたい。その意味で本作は非常によく出来たラブストーリーと云える。

 主演のトム・クルーズは、珍しくあのへたくそな演技が役にハマッている。経理の女の子に、今では信じられない話だがレニー・ゼルウィガー。彼女の出世作が本作と云える。どっからどう見てもブサイクなのだが、どんどん綺麗になっていくのはさすがの一言。1人だけ残ったマイナーなフットボール選手にキューバ・グッディング・Jr.。どっかで見たことあったなと思ったら「星の王子ニューヨークへ行く」でエディ・マーフィにくっついてた黒人だった。トム・クルーズを振る恋人役にケリー・プレストン。現在のジョン・トラボルタ夫人である。

 ……が、しかし本作の主人公は、実はトム・クルーズでもなければレニー・ゼルウィガーでもなければキューバ・グッディング・Jr.でもない。合間あいまにちょこちょこ出てくるエージェントの元祖の人だ。
 思い出すのだが、かつて劇場で観ていたとき、最後の科白を口にした瞬間、劇場中が拍手に包まれた。日本の劇場で、ロードショー初日でもないのに、だ。なかなかこの国も捨てたもんじゃないぜ。

 138分という尺は決して長くない。脚本・監督はキャメロン・クロウ。後に「バニラ・スカイ」で再びトム・クルーズと組むことになる。途中やや辻褄のあわない箇所がないではないが、これだけのエンターテイメントなら文句はない。

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