« ウルトラマンメビウス第38話「オーシャンの勇魚」 | トップページ | あらかわ遊園 行 »

2007/01/10

ロボコン(長澤まさみ)

100

 長澤まさみ出演作品をDVDで振り返ろうシリーズ~ドンドンドンドンパフパフパフパフ~~~はいっ、というわけでねーどーもーオレられも頑張っていかなアカンなと思ってますけども・その1

 長澤まさみ出演作品を長澤まさみに限ってコメントしていくこのコーナー、作品に対する評価は度外視するのでそのつもりで。たぶん常に100点になると思う。

 本作は長澤まさみ初主演作である。端役も含めた出演作(映画に限る)としては、それ以前に「クロスファイア」(2000)、「なごり雪」(2001)、「黄泉がえり」(2003)、「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」(2003)の4作品がある。2003年は映画出演のラッシュ時期で、本作も含め4作品が公開されている(翌2004年は3作、2005年1作、2006年2作。徐々に出演作を絞り込む傾向もあるが、それ以上に映画以外の出演が増えてきたことも影響しているものとみられる)。

 さて本作は、沢山のロボットが出てきてガンツ先生に0点って云われる……わけではなく、ロボットコンテストの略。実際にNHKなんかで全国大会が放送されたりしている。その常連校の1つ、山口県の徳山高専(実名)が舞台。ここの「ロボット部」がロボコンに出場するわけだが、同じ学校の「ロボット部」といっても第1と第2がある。もはやこの手の物語の定番だが、第1が優秀で第2は落ちこぼれの吹きだまり。主人公・葉沢里美(長澤まさみ)が(仮)入部することになるのはもちろん第2。「めんどくさい」「やる気ない」が口癖の里美は、第2ロボット部の顧問である図師隼人(鈴木一真)から、居残り授業を免れる条件として、第2ロボット部員としてロボコンへの出場を打診される。仕方なく第2ロボット部に向かう里美だったが、第2ロボット部はこれまたやる気のない連中の吹きだまり。設計担当の相田航一(小栗旬)は才能こそあれど人との接し方が分からない。部長の四谷(伊藤淳史)も研究熱心だが積極的になりきれない。組み立て担当のはずの竹内和義(塚本高史)に至っては、そもそも部に出てこない。全国大会の最初のステップ、中国地区大会に出場するものの、案の定初戦敗退。第1ロボット部の部長・豪原(荒川良々)に莫迦にされ、里美は悔しがるのだが、他の第2ロボット部員はいつものことと冷めた態度。ところが第2ロボット部、審査員推薦枠に滑り込み、全国大会への切符を偶然にも手にする。元来が負けず嫌いの里美のこと、他の部員を叱咤激励する側にまわりはじめる。

 DVDには出演者に対するインタビューがあって、ことに第2ロボット部4人に対する演技指導は共通している。すなわち「演技しないこと」。あえて云えば「演技しない演技をすること」。これは恐らく監督・脚本を務めた古厩智之の出自が関係していよう。PFF(ぴあフィルムフェスティバル)グランプリ受賞作でデビュー。その後、「この窓は君のもの」と「まぶだち」の2作はともに海外で高い評価を受けているが、いずれもインディペンデンス系の作品であって、メジャー作とは言い難い。ほぼ本作が商業作品デビューと云っていい。つまりは自主映画出身者にありがちな「無駄な(青い)リアリティ」なのではあるが、同様の自主映画出身者と異なるところは、その無駄なリアリティを求める先を第2ロボット部の4人に限定しているところだ。第1ロボット部の部長・豪原(荒川良々)、第1ロボット部の顧問・脇田(平泉成)、第2ロボット部の顧問・図師隼人(鈴木一真)、里美の父・葉沢良行(うじきつよし)、保険教諭・笹木良子(須藤理彩)といった脇を固める面々には、むしろ過剰なまでの演技を求めていることがありありとスクリーンを通して伝わってくる。にもかかわらず本作は話としても演出としても成立してしまっている。実にフシギでならない。なおかつ音楽だ。ほとんど無音の画面が続く本作ではあるが、メインテーマと云うべき音楽が繰り返し流れる。全く同じ曲であるにもかかわらず、最初の、主人公たちがやる気をなくしている頃の曲と、やる気を出し始めた頃の曲とでは、繰り返すが全く同じ曲なのに違って聞こえる。もちろんそれは音楽に起因するのではなく、演出の妙がつながった所以だろう。

 肝心の長澤まさみの演技なのだが、前述のように「演技しない演技」を求められているだけあって、実に力みがない。最近のバラエティ番組で見る彼女と同じ動きをしている。云わば素が出ているわけだ。ところが彼女自身は後に本作で演技に目覚めたと証言している。1つにはそれだけ末恐ろしい才能の持ち主であることもあるが、何より最初の主演作が古厩智之監督作であることの幸運さが大きく寄与していよう。ものすごく遠く逆説的に云うと、東宝シンデレラガールでグランプリに選ばれてから3年後の主演作に自主映画出身監督の商業映画デビュー作をまわすという東宝芸能側の戦術に戦慄を覚える。

 そう、確かに本作は長澤まさみの最初の大きなステップにはなったはずだ。

|

« ウルトラマンメビウス第38話「オーシャンの勇魚」 | トップページ | あらかわ遊園 行 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ロボコン(長澤まさみ):

« ウルトラマンメビウス第38話「オーシャンの勇魚」 | トップページ | あらかわ遊園 行 »