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2007/02/18

スーパーマン・リターンズ

48

 見逃した作品をDVDでカバーしようシリーズ。

 作品についてはあまりにも有名なので語る必要はあるまい。落馬事故によって全身不随に陥り、車椅子の痛々しい姿で登場するも、やがて亡くなってしまった故クリストファー・リーヴ主演の4部作から18年ぶりのリメイクにあたるのが本作である。故に最後、キャストロールとスタッフロールの合間に「愛と敬意を込めて、本作を故クリストファー・リーヴならびに故ディナ・リーヴに捧げる」とのテロップが入る。ディナ・リーヴとは、夫クリストファーの後を追うように亡くなったリーヴ夫人の名だ。

 制作は18年ぶりでも、本作の舞台設定は「スーパーマンⅡ 冒険篇」から5年後が用意されている。5年間、スーパーマンは地球にいなかった。故郷の星クリプトン星の残骸が発見されたと聞き、確かめに行っていたのだ。帰還してみて驚くのは、地球の変わりようだった。犯罪、紛争、自然災害。ありとあらゆる厄災がむしろ増えていた。何よりスーパーマンを驚かせたのは、ロイス・レーンの結婚だった。

 主役であるスーパーマンに抜擢された新人ブランドン・ラウスは申し分ない。が、語るべき何者をも思いつかない。もともとそういう役なのだ。故クリストファー・リーヴが凄かったのは、スーパーマン役をやりつつ演技の幅を広げることを怠っていなかった点で、今後に注目したい。
 本作のキャスティングでは以下、過去のスーパーマン・シリーズに登場する人はほとんど1人もいない。ロイス・レーンにケイト・ボスワース。これまたコメントのしようがない。コメントすべきは宿敵レックス・ルーサーのケヴィン・スペイシーだ。ジーン・ハックマンが非常に楽しそうに演じていたあの悪役を、楽しそうなところまでそっくりに演じてみせる。
 最初にスーパーマンが降り立つケント農場の老未亡人、すなわちスーパーマンの育ての母に、何とエヴァ・マリー・セイント! かつて「波止場」でオスカー助演女優賞を受賞していた大ベテランである。まだ生きていたとはしらなんだ。
 前シリーズと唯一同じ役で登場するのがマーロン・ブランド。スーパーマンの父ジョー・エルが映像として登場するわけだが、マーロン・ブランドは故人なので、以前の映像をそのまま使っての登場となる。こういう使い方をオレはあまり好まないが、1つには無意味なCG加工をほとんど施していないこともある上、本作ではジョー・エルの存在と科白が重要な伏線になっているため、不問とする。

 舞台設定は5年後でも実際には18年の間が空いたリメイク作品。その意味では非常にうまい構成になっていたと云ってよく、そこは評価できる(脚本はマイケル・ドハティとダン・ハリスの共同)。それから音楽は今回、ジョン・オットマンが務めているが、あのジョン・ウィリアムス作曲のテーマ曲だけは健在。ジョン・オットマンはそれを、うまいアレンジとタイミングで使いこなす。これには感心させられる。

 だが……ここからマイナス点である。最悪なのは監督のブライアン・シンガーだ。「X-MEN」シリーズでも思ったのだが、いやしくもアクション映画を撮ろうと思ったら、もっとテンポよく撮れないものか。静かで緩急の緩が8」割方を占めるアクション映画なんて誰が望む? クライマックスに至るテンポは見事だが、やれるんなら最初からやれよ。だいたい18年ぶりのスーパーマンなら、まずスーパーマンの超人的な活躍を見せることに重きを置くべきだろう?

 どうやらリメイク2作目の野望がプンプン臭ってくるが、やるんなら監督の交代を要求したい。

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