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2007/03/01

トランスポーター

66

 見逃した作品をDVDでカバーしようシリーズ。

 タイトルを直訳すれば「運び屋」か。よく刑事ドラマに出てくる麻薬の売人のようにチンケな奴ではなく(それじゃ映画にならない)、プロの運び屋が主人公の作品だ。
 プロフェッショナル故に、依頼内容は問わないが、自他ともに課しているルールには厳格だ。例えば銀行の前に車を止めていると、中から顔を隠した4人の強盗が出てきて乗り込んでくる。しかし彼は車を出そうとしない。「契約では3人だ」。仕方なく強盗のリーダーは、下っ端の1人を撃ち殺す。「これで3人だ」。そこから派手なカーチェイスが始まる。目的地に着くと、そこで別の運び屋に乗り換える手筈だったのだが、そこまでの運転技術が惜しい強盗たちは、乗り換えをやめ、引き続き最終目的地までの運搬を依頼する。だが「契約ではここまでだ」。仕方なく車を乗り換える強盗。翌日、乗り換えた車ごと強盗が逮捕されたニュースを目にすることになる。
 ここまでの流れるような展開はなかなかに引きつける。1つには、主人公・フランク(ジェイソン・ステイサム)のキャラクターによるところが大きい。徹底したプロ故に、逆にそこから醸し出される滑稽さ。車はチリ1つないBMW。しかもエンジンの起動に暗証番号が必要なほどのセキュリティに対するこだわり。リュック・ベッソン(プロデュースも兼)とロバート・マーク・ケイメンの共同脚本を、ルイ・レテリエとコリー・ユンが共同監督。音楽はスタンリー・クラーク。犯罪映画でここまでスタイリッシュな雰囲気を出せるというのは確かに希有な才能だ。

 だが……。

 運び屋フランクが自他ともに課したルールとは、事前に成立した「契約の厳守」、依頼者・被依頼者ともに互いの「名前を聞かない」、依頼された「〝荷物〟の中身は開けない」。
 最後の1つをフランクは破ってしまう。開けてみるとそこには、手足を縛られた中国人の女の子ライ(スー・チー)がいた。そこから話は二転三転していく。

 問題はここだ。それだけ厳格にこだわっていることを最大の持ち味とするキャラクターを造形しておきながら、自ら禁を犯させてしまうというのはどういうわけだ。ここは「巻き込まれ型」でやむをえない事情を持ってこないと説得力ないでしょ。この1点だけで話の前も後も成立しなくなってしまう。
 その後の展開の見事さは分かる、確かに力量があろうが、どうにも引っかかってしまった。なんだって単なる運び屋がそんなに強いんだという説明も、元軍人というだけ。そこまでストイックならなんで自ら禁を犯す? それさえなければ気にならなかったろうに。

 スー・チーはいいぞ。ちょっと喜多嶋舞に似てる。それと途中でてくる警官とフランクとの関係性が面白い。一時的に狂言回し役にもなっているし、プロットを構成する重要なファクターにもなっている。
 アクション映画で尺が93分というのもよく分かってる証拠。それだけに惜しくてならない。

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