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2007/03/06

ナイトミュージアム

 すまん。前もって云っておく。さすがに100点満点の評価に疲れてきた(区分が細かすぎて自分のなかで居所=相対的な評価の違いに矛盾を生じ始めてきた)ため、今回から評価体系を――
   
   
   

 ――の9段階に改める。これでも多いくらいだが仕方あるまい。

 5日、仕事を強制早退して東京は神保町の日本教育会館・一ツ橋ホールにて鑑賞。いや、何のことはない、無料試写会が当たったのである。試写会なんて何年ぶりだろうか。
 土砂降りのなか、会場に到着してみて驚いた。たかが500ちょっとのキャパを相手に開場(開演ではない)15分前なのに長蛇の列。しかも大半が親子連れ。おいおい、平日だぜ? まぁ作品が作品だから仕方ないのか。オレは忍耐と退屈を覚悟した。
 ところが意に反して2時間弱の上映時間中、走り輪回る子どももいなければ騒ぎ出す赤ん坊もいなかった。たまたまおりこうさんが揃っていたわけではなく、それだけ本作にパンチがあった証左だろう。
 狭いスクリーンな上に映写機のトリミングが甘く上下左右が黒幕の上に波打つ。歪つなPA。どれをとっても最悪の環境と云えるが、あにはからんや妙に楽しめた。こりゃ貴重な経験をしたもんだ。

 バツイチの主人公ラリーは仕事をクビになってばかり。一人息子のニックを愛してはいるが、どう贔屓目にみても元妻の再婚相手(つまりニックの義理の父)のほうが安定した生活を送っている。焦ったラリー、微妙な仕事に就く。アメリカ自然史博物館の夜警という、傍目には大したことなさそうな仕事なのだが、そこには秘密があった。夜中になると博物館の展示品たちが動き始めるのだ。
 ――このへんまでは予告編でやってたから知ってる人も多かろう。しかし、この程度の筋だけで2時間近い尺がもつはずがない。どうするのだろうと思っていたら、ちゃあんと伏線が張ってあって、話はあらぬ方向へと転がっていく。
 ミラン・トレンクの絵本を下敷きにしたトーマス・レノン(『銀河ヒッチハイクガイド』など)とロバート・ベン・ガラントの共同脚本(『キャプテン・ウルフ』など)は、お手本のようなプロットを刻んでいる。そこは非常にいい。アラン・シルヴェストリ(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』など)の音楽も耳に残らないくらいだからちょうどいい。余談だが主演のベン・スティラーが口ずさむ(というかガナる)サバイバーの「アイ・オブ・ザ・タイガー」(ロッキー4のテーマ曲)は秀逸。ショーン・レヴィもこれまた何かのお手本のような演出を見せる。とりたてて奇をてらってはいないが、といって妙なはずしもない。ある意味で淡々としていると云っていい。

 なんというか、安定感のある作品と云える。見終わったらすぐ忘れてしまいそうな内容。まぁこれぞ映画と云えばそうなのだが。

 どうにも薄っぺらい、物足りない感覚が残ってしまうのは、扱っているのが(パロディなどの元ネタが)アメリカ自然史だからだろう。何せ200年ちょっとの歴史しかない国だ。古く長い歴史にあこがれる国民性はどうしようもない(だからファンタジーやらが流行るわけだ)。「自然史」まで時間的なスパンを広げても、ヨーロッパや東アジアに比べればどう考えたって「近代史」にしか見えないから、単なるヤンキーの悪ふざけになってしまうことになる。フン族の王、アッチラなんて蛮人扱いである(実際そうだが)。話の重要なファクターとして古代エジプトのファラオが出てくるのだが、アヌビス系の神とミイラ信仰は同居していない(同時代ではない)から、これは架空。そこが分かるように、という配慮だろうか、名前が「ラー・アミン・カー」になっている。アメリカ中西部の冗談によく出てくるミイラの名前なのだが、翻訳者が知らなかったのか意図的なはずしなのか、アラブ読みのカタカナで訳されていた(どうした戸田奈津子)。

 主演のベン・スティラーは有名なコメディアンだそうだが、オレは知らん。「展示品」のなかでは、テディ・ベアの語源になったセオドア・ルーズベルトにロビン・ウィリアムス。ミニチュアのカウボーイにオーウェン・ウイルソン(『カーズ』でライトニング・マックイーンの声を担当)。
 特筆すべきは、ディック・ヴァン・ダイク(『チキ・チキ・バン・バン』など)、ミッキー・ルーニー(『おかしなおかしなおかしな世界』など)、ビル・コッブス(『未来は今』など)という往年のコメディアンが揃って登場していること。特にディック・ヴァン・ダイクなんてまだ生きてるとは思わなんだ。

 いろいろ文句は云ったが2時間ただ面白がるだけなら十分料金を払っていい作品。特にラストカットは秀逸。

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