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2007/03/09

Project Blue プロジェクトブルー 地球SOS

 小松崎茂の「地球SOS」を原作としたオリジナルのアニメーション(いわゆるOVA)。昨秋、東京・大手町は逓信総合博物館へ「小松崎茂展」を観に行った際、本作が上映されていた。ところが途中(2話目)で上映終了。ひどく中途半端なことをやるなあと思っていたら、何のことはない、その時点ではDVDが2話目までしか発売されてなかったのね。つい最近になって最終・第6話が発売された。実はここまで結構コツコツDVDを借りて観ていたのだ。最終・第6話まで見終わったので、ようやく評価できる。

 小松崎茂なる人物の名前は知らなくても、オレと同年代の男の子なら必ず彼の描いた絵を一度は目にしているはずだ。プラモデルのパッケージで。その膨大な作品は、陸海空あらゆるプラモデルに及んだ。ただし、あまり知られていないが、彼は当初、絵物語作家だった。プラモデルのパッケージは後年のことだ。
 1915年(大正4年)生まれ。最初は日本画家・堀田秀叢に師事するが、後になって挿絵画家・ 小林秀恒の門下へ。挿絵画家に転向する。このとき、科学雑誌「機械化」誌上で夢の飛行機や戦車などを描いて活躍しており、そのうちのいくつかはオレも目にしたことがある(別に『機械化』誌を読んでいたわけでなく、後に別の雑誌などに転載されたものを目にしたのである)。ほかに、かの円谷英二が特技監督を担当した「地球防衛軍」のメカニック・デザインを担当し、「轟天号」を世に送り出している。
 「機械化」誌に描いていた絵物語の1つが、本作の原作である「地球SOS」だ。

 残念ながらオレ自身は原作を読んでいない(昨秋の展示で原稿の一部を見学できたくらい)。だがまぁ彼のタッチや感覚は馴染み深いものがある。本作では、そこをうまく活かしつつアレンジが加えられている……ように見える。
 西暦2000年(もう過去じゃん!)、発展を遂げた人類は国連のもと単独政府に統一されており、夢のエネルギー「G反応機関」を利用した輝かしい時代を迎えていた。ところが人類は、密かに謎の宇宙人と戦っていたのだ。
 ……もうこのへんからして小松崎テイスト満載である。
 発射されるビームが輪っかになって飛んでいく。何故かテレビは普及しておらず、みんなラジオを聴いている。活躍するのは天才少年。次回予告のナレーション(小川真司)は必ず「刮目して待て!」で終わる。最高である。

 首都メトロポリタンとニューヨークをわずか1時間半で結ぶ夢の弾丸列車「イナズマ号」の開通式。その真っ最中、突如として「イナズマ号」が虹色に輝く光に包まれて消えてしまう。現場に偶然居合わせたのは、天才少年で互いに面識のなかったビリー・キムラとペニー・カーター、さらに謎の少女ロッタの3人。ビリーとペニーが「イナズマ号」事件を追いかけ始めると、世界各地で同じような蒸発事件が続発していることが分かる。だが、その事実は一般には伏せられ、人々はその脅威を知らずに過ごしていた。実は国連が原因究明のため極秘の地球防衛組織「迷宮機関」を設立し、その脅威に立ち向かっていたのだ。
 迷宮機関のトップ、ブレスト博士。ロッタの家庭教師、エミリー。天才パイロット、ジェームズ。そのかつての上司、クレイトン大尉。このあたりがメインのキャラクターだ。
 キャラクター設定(星地、岡田有章)やデザイン(松竹徳幸)、メカニックのデザイン(荒牧伸志、福地仁)は文句のつけようがない。SEも何故かすごく懐かしい(音響監督=若林和弘)。音楽(大島ミチル)も安定している。難点をあげれば、最終回だ。原作通りなのかもしれないが、「え? そこで終わちゃうの?」って感じ(監督=岡村天斎)。もうちょっと何とかならなかったものか。それと全6話を通じて感じたのだが、5話目あたりだけ妙に絵が雑になる。これまたシリーズ構成(山口亮太)を考えてほしかったなあと。

 とはいえオレと同年代(あるいはやや上)の男の子が小松崎テイストを楽しむ分にはお薦めである。刮目して待て!(い、いや、待たなくていいから)

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