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2007/04/08

ウルトラマンメビウス

 まずは下表を見ていただこう。監督、特技監督、脚本家ごとの担当した話数、登場した怪獣の数、うちオリジナル怪獣の登場率、登場したウルトラマンの数、その1話当り平均の登場率――を集計してみた。


 担当
話数
登場
怪獣
オリジナル
登場率
登場
ウルトラ
マン数
1話当
り平均
登場率
監督
佐野 智樹 10.0 26.0 53.8% 16.0 160.0%
村石 宏實 10.0 25.0 48.0% 4.0 40.0%
小原 直樹 8.0 24.0 37.5% 4.0 50.0%
アベ ユーイチ 6.0 14.0 42.9% 5.0 83.3%
小中 和哉 4.0 12.0 33.3% 2.0 50.0%
北浦 嗣巳 3.0 6.0 16.7% 2.0 66.7%
梶  研吾 2.0 6.0 66.7% 0.0 0.0%
高野 敏幸 2.0 5.0 40.0% 1.0 50.0%
鈴木 健二 2.0 5.0 40.0% 3.0 150.0%
八木 毅 2.0 4.0 25.0% 0.0 0.0%
原口 智生 1.0 3.0 33.3% 1.0 100.0%
特技監督
菊地 雄一 10.0 29.0 44.8% 6.0 60.0%
村石 宏實 10.0 25.0 48.0% 4.0 40.0%
鈴木 健二 8.0 20.0 40.0% 8.0 100.0%
原口 智生 5.0 16.0 56.3% 12.0 240.0%
北浦 嗣巳 5.0 9.0 33.3% 2.0 40.0%
小中 和哉 4.0 12.0 33.3% 2.0 50.0%
アベ ユーイチ 4.0 10.0 40.0% 3.0 75.0%
高野 敏幸 2.0 5.0 40.0% 1.0 50.0%
八木 毅 2.0 4.0 25.0% 0.0 0.0%
脚本家
赤星 政尚 15.5 41.5 59.0% 19.5 125.8%
長谷川 圭一 9.0 29.0 17.2% 5.0 55.6%
川上 英幸 8.0 17.0 35.3% 5.0 62.5%
小林 雄次 5.0 12.0 41.7% 3.0 60.0%
太田 愛 5.0 10.0 80.0% 1.0 20.0%
谷崎 あきら 4.5 15.5 29.0% 4.5 100.0%
朱川 湊人 3.0 5.0 60.0% 0.0 0.0%
合計 50.0 130.0 43.1% 38.0 76.0%

 登場した怪獣やウルトラマンの数が、担当話数が多いほど高いのは当然としても、注目していただきたいのはオリジナル怪獣の登場率だ。脚本家のうち太田愛のオリジナル率8割というのは驚異的と云っていい。つまりは過去の怪獣を使い回し(正確にはリメイクも含むが)せずに、ゼロから作り上げた率が高いと云える。同様にウルトラマンの1話当り平均の登場率は、つまりウルトラマンへの依存率をあらわす――とは言い過ぎか。少なくともウルトラマンを1回も使うことなく脚本を書いた朱川湊人、演出した梶研吾は賞賛していい。ことに八木毅に至っては特技監督としても総合監督としても、一度もウルトラマンに頼っていない。
 まぁそれより何より人の脚本やキャラクターに乗っかってストーリーテリングを継続するパターンが非常に多く、これには感心させられた。長いTVシリーズの鏡みたいな話である。

 M78星雲にあるウルトラの星・光の国。その星の住人たちはもともと今の地球人と同じようなヒューマノイド型で、非常に発達した科学力を駆使する人類だった。だが恒星をなくした惑星で、瀕死の状態にあった。そこで彼らはその超・科学力を駆使して、人口太陽を打ち上げることに成功する(これが『光の国』の名の由来)。ところが人口太陽には、邪悪な外宇宙人(バルタン星人)の別プログラムが組み込まれており、変異放射線によって住人たちの姿形・能力を変容させてしまう。巨大で屈強な身体、様々な超能力、光線技。彼らはその変異に戸惑い、恐れるが、やがてその身体と能力を何に活かせばいいのかを深く考え始める。様々な宇宙へ散っていった彼らは、様々な経験を積み、その身体と能力を宇宙の平和のために使おうと結論づける。こうしてウルトラの父のもとに「宇宙警備隊」が創設される。〈ウルトラマン0〉
 この当時、大軍団を率いて光の国の侵略を企んだ異星人がいた。エンペラ星人である。ウルトラの父はこれを撃退するものの、このときに負った傷がもとで宇宙警備隊を退き、隊長職をゾフィーに譲ることになる。
 その宇宙警備隊の一員であるウルトラマンは、今から40年前、凶悪怪獣ベムラーを追って、初めて地球に降り立つ。そこで彼は、変容を遂げる前の光の国と同じような人類、外宇宙人に襲われやすい惑星の存在を知り、とどまって守備に徹することを決意する。それから1年、科学特捜隊の一員ハヤタの姿を借りて、襲い来る外宇宙人や怪獣を撃退し続ける。だが、やがて宇宙恐竜ゼットンの前に力尽きたとき、宇宙警備隊の隊長ゾフィーが現れ、2つあった生命のうちの1つを与えて帰還させる。〈ウルトラマン〉
 これがウルトラ一族と地球人との交流の始まりだった。以降、宇宙警備隊は、ほぼ1年ごとにウルトラマンたちを地球へ送り込み、宇宙人・怪獣たちを撃退させることになる。〈ウルトラセブン→帰ってきたウルトラマン→ウルトラマンA→ウルトラマンタロウ→ウルトラマンレオ→ウルトラマン80〉
 途中、ウルトラ一族だけで人手が足りなくなった際、ウルトラセブンが再び守りについたこともあったが、別種族であるレオ&アストラの兄弟が助けに入っている。〈ウルトラマンレオ〉
 80が地球を去った直後、ヤプール/Uキラーザウルスを神戸沖に封印するため、ウルトラマン、セブン、ジャック、Aが地球に常駐。これによって地球は怪獣出現期を脱することに成功する。〈ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟〉
 一方、科学特捜隊の隊員だったサコミズ・シンゴは、その当時、優秀な隊長もいたし初代ウルトラマンの協力もあったりで、地球の守りは大丈夫と、宇宙勤務を願い出た。亜光速で太陽系内を飛び回るという危険極まりない行為を繰り返していたため、ウラシマ効果によって実年齢は70代でも見た目は30代となった。冥王星軌道付近で外宇宙船たちの攻撃を受けた際、その危機を救ったのがゾフィーだった。ゾフィーは、外宇宙から地球への侵略を阻止するため、怪獣出現期を乗り切ったためウルトラマンたちが地球への常駐をやめた後も、一人で戦っていたのだ。怪獣出現期を過ぎたとはいえ、まだまだ地球には守りが必要であることを実感したサコミズは、帰還後、UGMを最後に解体されていた防衛組織の再編存続を提言する。こうして創設されたのがGUYSだった。各国クルーGUYS、GUYSスペイシー(宇宙)、GUYSオーシャン(公海)、GUYSアンタクティカ(南極)からなるこの組織のうち、サコミズは自ら日本のGUYS、クルーGUYSジャパンの総監におさまる。怪獣出現期を脱してから25年、GUYSの存在を地球人の誰もが知っていたが、一般には単なる資格の一種としか見なされていなかった。ただし、上層部は常に警戒を続けていた。
 一方、光の国では、タロウが教官となってルーキーであるメビウスの訓練が続けられていた。〈ウルトラマンフェスティバル2006〉
 ウルトラの一族ではあるが、戦士ではなく宇宙科学技術局に所属する科学者だったヒカリは、旅の途中で立ち寄った惑星アーブの美しさに心を惹かれる。しかし惑星アーブの意志は、やがて訪れる破滅の危機を自覚していた。現れたのはボガール。破壊の限りを尽くし始め、ヒカリは止めようとするが、かなうはずもない。哀しみにくれるヒカリにナイトブレスを授けたのは、ウルトラマンキング。ただしキングは、ナイトブレスを怒りにまかせて使ってはならないと忠告する。もちろんアーブの惨状を目にしたヒカリに、その忠告が効くはずもない。ボガールを追い出すことに成功するが、アーブはもはや元に戻らない。絶望にかられたヒカリを闇が取り囲み、強固な鎧を身にまとうことになる。ハンターナイト・ツルギの誕生である。ツルギはただ復讐のためだけに、ボガールが逃げた先、地球をめざすことになる。〈ウルトラマンメビウス外伝ヒカリ・サーガ1〉
 地球に到達したボガールは、自ら捕食する怪獣を次々に誘引し始める。それを知ったウルトラの父は、ルーキーのウルトラマンであるメビウスを地球に派遣する。
 クルーGUYSジャパンの隊長、セリザワ・カズヤが戦死してしまったため、やむなくサコミズが身分を隠して隊長に就任する。クルーGUYSジャパン内で正体を知っていたのは総監代行のミサキ・ユキのみ。サコミズは派遣されたメビウスとヒビノ・ミライとの接点をお膳立てし、素早くクルーGUYSジャパンを再編する。
 ここからメビウスとGUYSとの共闘が始まるが、戦死したはずのセリザワ元隊長の身体を借りていたハンターナイト・ツルギが、ただ復讐心に猛り狂い、ボガール殲滅だけに専念しようとする。だが、やがてツルギもメビウスとGUYSの共闘に共感し、ウルトラの母の温情もあって、ウルトラマンヒカリへと昇華していく。
 ナイトブレスをメビウスに預けたヒカリが光の国へと帰った後、ヤプールが復活。神戸沖でウルトラマン、セブン、ジャック、Aとメビウスが共闘、さらにタロウとゾフィーも加わり、復活したUキラーザウルスを殲滅する。〈ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟〉
 光の国へ帰還途中のヒカリは、ベムスターの攻撃を受ける。迎撃するヒカリだが、ナイトブレスをメビウスに預けたままのため、攻撃力が半減しており、勝てるはずもない。薄れゆくヒカリの意識に呼びかけたのは、ゾフィーだった。「最後まで諦めるな」。〈ウルトラマンメビウス外伝ヒカリ・サーガ2〉
 殲滅したはずのヤプールが生きていた。しかも何者かがメビウス抹殺指令をくだしていた。そのことを知ったウルトラの父はメビウスに帰還命令を出す。クルーGUYSジャパンの面々に正体を明かしたミライ/メビウスは、地球にとどまることを決意する。
 やがて明らかになる敵の正体。復活したヤプールすら「四天王」の1人にすぎず、その上にいたのは「皇帝」エンペラ星人だった。

 思うに、最も地球と地球人を愛していたのは、言い換えれば、ウルトラマンの心を最も深く体現していたのは、ゾフィーではなかったか。

 何より本作が凄いのは、これで一旦ウルトラマンシリーズを終えた点だ。なしくずし的にダラダラ続けるのではなく、これだけの話を終わらせたのだから、再び(設定が違っても)即座にウルトラマンシリーズを始めてしまったら、興ざめするのも当然だ。しかし円谷プロはそうせず、一旦シリーズを終えた。大英断だったと思う。平和が来たはずなのにクウガの後にすぐアギト、となった仮面ライダーシリーズとはえらい違いだ。
 だが、それらと裏腹な意味で、本作の宣伝は弱い。TBSの、あるいは円谷プロの方針なのかもしれないが、これだけ収入をあてこめる作品に宣伝費をかけないのはどうにも得心がいかない。もちろん、だからこそ制作内容を優先できるということはあるにせよ、だ。

 考えてみれば、「ネクサス」で(興収的には)コケた後、「マックス」でお茶を濁している間、本作の構想を練り、ここまで昇華させたのだ。これ以上のものは望みようがないし、望むのは酷というものだ。次回作は、少なくとも1年以上はおいてからでいい。
 ただし、やはり最後の最後にたった1つ残された不満だけは触れておきたい。

 かえすがえすも口惜しいのは、
篠田三郎が出なかったことだっ!

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