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2007/05/30

アイ,ロボット

 地上波TVにて鑑賞。故にカットされていたはずだが、まぁあまり支障はない。

 ……こんなもんか? こんなもんなのか?

 アイザック・アシモフの短編集「われはロボット」を「原典」にしているそうな。うーん……。申し訳ないんだが、アシモフ作品にこういうアプローチは……決して間違いではないが、やってほしくなかった。

 云うまでもなくアシモフは、(ロバート・A・ハンライン、アーサー・C・クラークと並ぶ)SF界における3大巨匠の1人であり、世界観・歴史観を書かせたら超一流な人だ。「われはロボット」をはじめとする一連の作品群も、1本の明確な世界観に基づいて描かれており、包括すれば非常に長大なものになる。ものになるが……であればこそその長大な世界観をきちんと感じさせる作品づくりが、ある種アシモフ作品の映画化に際しては1つの礼儀のような気がするのだが。
 確かに普通に原作として利用し、話を映像化するのは間違っているわけではないが、オレとしては非常に違和感を感じるし、残念に思えてならない。

 もともとロボット工学3原則というアイデアだって、正確に云うと考えたのはアシモフ自身でも、云いだしたのはアシモフではなく、当時「アスタウンディング」誌でアシモフの担当編集者だったジョン・W・キャンベルJr.だ。彼はアシモフの一連の作品を読んで、登場するロボットが「一定の規範のもとに行動している」ことを指摘し、それを三か条に編纂した。これが後のアシモフ作品のうちロボットものの基盤になっている。

 本作の場合、普通のアクションというかミステリーとして見て面白いは面白いのだが、何か物足りない。それはアシモフ作品を知っているから? そうではあるまい。長大な世界観を描き切れていないからだろう。脚本家にアキヴァ・ゴールズマン(『ダ・ヴィンチ・コード』)が参加している。さもありなん。監督はアレックス・プロヤスという知らないおじさんである。知らないおじさんについてっちゃダメでしょ。
 主人公のデル・スプーナー刑事にウィル・スミス。可もなく不可もなく。コンビを組むことになるスーザン・カルヴィン博士にブリジット・モイナハン。実はこのカルヴィンというキャラクターが唯一アシモフ原案に登場するのだが、こんな軽々しく扱ってほしくない。実はカルヴィンというキャラクターは、ロボット3原則の矛盾を解消する「ロボット心理学」の先駆者として登場し、何百年も後(という設定)の作品で象徴的な存在として名前が出たりするのだ。

 もう哀しいんで内容にも触れない。往った復したでちょうど真ん中評価とする。

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