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2007/07/23

ダイ・ハード4.0

 21日、日劇PLEX(有楽町マリオン)にて鑑賞。いったん全面禁煙にしたのだが評判が悪かったらしく、喫煙所が復活。ただし空港にあるのより狭い「ガラスの動物園」。やれやれ。

 原題は「Die Hard 4.0/ Live Free or Die Hard)。ニューハンプシャー州の標語(ステイト・モットー)である「Live Free or Die: Death is not the worst of evils.」をもじっているらしい。ただしこの原題が付されているのは北米公開版のみ。例えば日本では原題も「Die Hard 4.0」のみとなっている。

 監督に起用されたのは「アンダー・ワールド」シリーズのレン・ワイズマン。この人は美術畑出身で、ポスト・プロダクションの1人として「メン・イン・ブラック」や「インディペンデンス・デイ」、「GODZILLA」などに参加している。1作目と前作の監督であるジョン・マクティアナンは制作の1人にまわっている。脚本はマーク・ボンバックなる人物。わしゃ知らん。ロバート・デ・ニーロ主演の「アダム 神の使い悪魔の子」なる作品があるらしいが、聞いたこともない。

 知っての通り本シリーズは、1作目(監督/マクティアナン)の世界観を忠実に受け継ぎ、さらに昇華させたはずの2作目(監督/レニー・ハーリン)に対して、3作目(監督/マクティアナン)では無視してかかるという暴挙に出ている。いや、まぁ無理矢理かんがえると2作目から数年後と考えれば辻褄があわないでもないのだが、少なくとも劇中で2作目の内容に触れる科白やシチュエーションはなかった。故に本作を観るにあたって、オレの興味は、話の流れをどうしているのか――に集中していた。

 1~3作目に直接ふれるような内容とはなっていないものの、3作目でマクレーン自身が「1年前にホリーと喧嘩してそれっきりだ」と語るシーンがあって、本作でも最初のほうで「離婚してNY市警に戻っている」という説明があるから、まぁちゃんとつながってはいる。しかも本作では離婚後、ホリーにひきとられたマクレーンの娘が登場、物語の重要なカギを握っているあたりが、こちらをニヤリとさせてくれる。
 1作目の高層ビル、2作目の空港に比べ、NY中をマクレーンがかけずりまわるあたりから、3作目は「スケールを大きくしようとして効果的に失敗」していると評価され、実際オレもそう思ったもんだ。本作ではさらに東海岸全体を飛び回る話になっているが、大したもんで失敗とは呼べない(舞台の限定あるいは移動にきちんと裏づけがある)出来となっている。だがまぁ、ブルース・ウィリスのダイ・ハードと云えば、狭いダクトのなかを這い回る――というイメージは完全に払拭されてしまっている。
 4作品に共通しているのは唯一、「犯人の目的が結局はカネ」という点だけだろう。あ、2作目は違ったか。

 物語は、FBIのサイバー犯罪対策部がハッキングされるところから始まる。頭にきたFBIは、リストアップされたハッカー全員をワシントンD.C.のFBI本部まで連行するよう指示。FBI捜査官だけでは人手が足りないため、警察にも指示がまわってくる。連行すべきハッカーの1人に、ニュージャージー州に住むマシュー・ファレル(ジャスティン・ロング)がいた。
 たまたま娘ルーシー(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)に会うため管轄外であるニュージャージー州に来ていたNY市警の刑事ジョン・マクレーン(ブルース・ウィリス)は、ファレル連行の指示を受け、渋々向かうのだが、まさに連行しようとしたそのとき、突如として銃撃を受ける。何とかワシントンに着いたマクレーンとファレルだったが、そこでようやく全米が巨大なサイバーテロの標的にされていたことに気づく。

 後半で活躍するマクレーンの娘ルーシーのキャラクターがいい。人質になって父親との間でつながってる電話に出ろと脅されると、出てくるセリフが「犯人は5人よ」って、まったくもって父親譲り。ファレル役は大したことない(マクレーンの行動にいちいち驚いてみせる意味で狂言回し的な役目を担っている)が、徐々に成長していく様は定番としても、ハッキングやサイバーテロがいかに人を苦しめるか身をもって実感するに至って、犯人と対峙したときむしろ説得するあたりは脚本の勝利だろう。
 犯人側のトップであるガブリエル役にティモシー・オリファント。これ惜しいんだよなあ。もうちょっと顔が整ってるべきだった。でないと話の流れを生かせない。それよりガブリエルの片腕マイ役のマギー・Qがなかなか。「ミッション・インポッシブル3」のときはさほど印象に残らなかったが、まぁ今回は動く動く。

 アクションの凄さは確かにあるが、本シリーズはもともと「凄いアクション」を見せるのではなく、話の運びの必然としてアクションがあるため、アクションを通して話の展開を見せるところに主眼が置かれている。その意味では本作は合格点と云っていい。
 オレが注目せざるをえなかったのは、F-35ライトニングの登場である。だってあーた、F-35なんて、「来年」実戦配備される予定の機体だぜ? それを出しちゃうなんざぁ…。いや、オレも知らなかったんだけど、F-35ってのは、陸海空全軍から要求される全てのスペックを単一フレームで実現することで製造コストを下げようという、壮大な計画のもとに誕生した機体なのだ。したがって戦闘機の「F」が付いちゃいるが、開発中には「JSF」(統合戦闘攻撃機=Joint Strike Fighter)と称されていたそうな。「陸海空全軍から要求される全てのスペックを単一フレームで実現する」ってのは、つまり基本型はCTOL(通常離着陸機=滑走路から普通に離着陸)だが、ほぼ同一の機体構造ながらCV(艦載機=空母など短いカタパルト滑走路に離着陸)とSTOVL(短距離離陸・垂直着陸=STOLとVTOLの統合型)のバージョンもあるってことだ。このため開発にはイギリス空・海軍も参加しており、特にSTOVL機にハリヤーのノウハウが生かされた(ロッキードとボーイングがそれぞれ開発し、ロッキード製が採用された。ハリヤーのノウハウを活用したのはボーイング側のほうなので、実際には採用されていない)。本作に登場するのはこのF-35のSTOVLバージョンだ。
 もちろん撮影中に実物が手に入るはずもない(この当時、F-35STOVLは全世界に2機種しか存在していないため撮影許可がおりなかったそうな)ため、何と実物大のレプリカを作ったそうな。しかもF-35が高速道路を銃撃するシーンだったため、高速道路そのものも作っちゃったんだとか。カネかけられるとこは違うよなあ。

 まぁ、なーんも考えんと観る分には最適な作品。これぞ映画。でも最高点はあげない。

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