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2007/07/04

プロポーズ大作戦

 まとめ。

 いや、だってさぁ、最初はオモロいコメディだったのよ。
 幼なじみ・礼(長澤まさみ)の結婚式に出席した(物語上の)主人公・ケンゾー(山下智久)。ずっと想いを伝えられず、高校の頃の教育実習生・多田ちゃん(藤木直人)に先を越されてしまったことを、ずっと後悔している。スライドショーが始まった頃、ケンゾーの激しい後悔に反応した〝妖精〟(三上博史)が現れ、過去へタイムスリップさせる。
 毎回、なんとか想いを伝えようとするケンゾーだが、少しだけスライドの向こうの礼の表情が変わるだけで、いっこうに現代の状況は変わらない。このへんのもどかしさはともかく、連続ドラマとしてシチュエーションコメディの面白さは十二分に確立されていた――はずだった。故に最終回でどう逆転させるかが、最大にして唯一の肝と云っていいのだが、残念なことに逆転はするものの、その心情をうまく説明しきれていないために、「なんで?」という感じで終わってしまう。

 はっきり云おう。大失敗だ。

 脚本の金子茂樹は、CXヤングシナリオ大賞(2003)出身。ドラマ脚本としては「危険なアネキ」がある。年齢がいくつだか知らないが、残念ながらストーリー・テリングの文法が分かっているとは言い難い。
 TVドラマにおける演出というものは、もともと重視されていないが、本作でも同様である。本作の演出は2人で、ともにCX演出部の所属。成田岳は「ラストクリスマス」、「恋におちたら~僕の成功の秘密~」、「東京ラブ・シネマ」、「あなたの隣に誰かいる」、「FIRE BOYS ~め組の大吾~」、「スローダンス」、「サプリ」、「西遊記」などなど、もはやベテランの域に入るのだろうが、なるほどパッとした作品が見あたらない。もう1人の加藤裕将は、「永遠の1.8秒」、「西遊記」など、まだ経験が浅いこともあるが、まぁ要するにまだまだ。少なくとも2人とも、不十分な脚本を面白く見せるほどの才能は持ち合わせていないということだ。

 枝葉の部分は面白い。主役2人とは別に、幹雄(平岡祐太)、エリ(榮倉奈々)、ツル(濱田岳)がそれぞれ際だっているし、特に濱田岳は素晴らしい。このへんは脚本やら演出やらとは別次元として評価したい。藤木直人は与えられた役を粛々とこなすタイプなので、この際どうでもいい。問題は主役の2人で、長澤まさみはともかく、山下智久は近年稀に見るほどひでーもんだ。
 長澤まさみは努力による天才型の典型だが、残念ながらこの脚本では……。本人もキャラクターを把握できずに困ったのではないか。前半の制服シーンてんこもりは、恐らくこういうキャラクターを演じる最後の作品になろうから、フリーク泣かせではあるが、基の話が話なので、徐々に出番が減ってきたのは何とかならんもんだったか。回想シーンを増やすなど工夫はしていたが、さすがに限界はあろう。まぁそこらへんの配慮には感心した。

 確かどこかで書いたような気もするが、オレは基本的にラブストーリーというものを認めていない。恋愛って人生そのものだから、そこ「だけ」を描いてもドラマとして成立しにくいと考えているのだ。そうでなく、枝葉として恋愛を描くのが、ある種のセオリーだと思っていて、特に経験の浅い脚本家や演出家が、あえて言えば才能のないやつが手を出す分野ではないと思っている。ましてはラブコメほど難しい分野はあるまい。
 そこに挑戦した意欲はかうが、残念ながら玉砕、というのが総括か。

 本来なら「C-」評価のところ、「B-」まで引き上げたのは、長澤まさみの制服姿だけの賜である。CXはよーく考えるように。

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