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2007/08/25

台湾には行きたくない

 那覇空港で起きたチャイナ・エアライン(中華航空)の事故。オレにとってあれは衝撃的だった。何故なら過去6度の台湾行で、何度も利用していた航空会社だったから。

 誤解されている向きも多いようだが、チャイナ・エアラインは中国国際航空(エア・チャイナ)とは違う。前者は台湾のフラッグキャリア(日本で云えば日本航空みたいなポジション)であり、後者は中国の航空会社(民用航空総局系)。台湾は中華人民共和国ではなく中華民国だから、かつてはチャイナ・エアラインも、特徴的な白い尾翼の真ん中に小さく中華民国の国旗(青天白日満地紅旗)が描かれていた。ところが返還後の香港へのチャイナ・エアライン乗り入れに際して、中国側が圧力をかけてきたため、現在の梅の花マーク(中華民国の国花)に変わった。このとき、ついでに機体のデザイン全体を変更しており、機体横に描かれていた「中華航空公司」という筆文字のロゴも、「CHINA AIRLINE」に変わっている。中国と台湾との微妙な関係に基づいて様々な軋轢があった結果として今の機体デザインがあるわけで、そこいらへんに配慮した世界は、(台湾と香港を除き)「チャイナ・エアライン」の名称で統一されている。これは日本でも同様なのだが、心ない、あるいは勉強不足な大半の日本のマスコミでは、無神経に「中華航空」と報道する。まぁ新聞をはじめとする報道機関は、ほとんど本能的に短い(字数の少ない)単語を選ぶ習性があるから、仕方ないと云えば仕方ないのかもしれないが。

 それはともかく、事故だ。事故そのものは今のところ、スラット(主翼の前側、フラップと逆側についている高揚力装置)を出し入れするアームについていたボルトが外れ、主翼の内部で燃料タンクに突き刺さり、そこから燃料が漏れ出してエンジン熱に引火した――という見方が有力になっている。旅客機は着陸する際、タッチダウン(接地)の瞬間にフラップとスラットを全開にして空気抵抗力を最大にする。機体が停止すれば不要になるから、滑走路からタキシーウェイ(誘導路)を通ってスポットに至るまでの間、どこかの時点で、フラップとスラットを収納する。このときに外れたボルトが燃料タンクを傷つけたのだとすれば、確かにスポットに到着するまでの間、燃料が機体外に漏れ出すまでには(主翼の内部の出来事なので)タイムラグが生じる。故に滑走路からスポットまでの間の路面に点々と燃料の痕跡があったわけでない点が、これで説明できる。
 問題は何だってボルトが外れたか、だが、今朝の報道だと、事故調の調べでボルトとナットの間に入っているはずのワッシャーが外れていたことが分かったそうな。燃料タンクに突き刺さっていたボルトにはナットがくっついたまんまの状態だった。ボルトとナットの間に挟まっているはずのワッシャーが違うところから見つかったので、飛行中の事故ではなく整備不良を疑い始めている、という内容の報道だった。

 まぁ、ここまで分かるまでの間にも、様々なことがあった。

 確かに乗客乗員165人に1人も死者が出なかったのは不幸中の幸いと云うべきだし、そうでなければオレなんかがこんなとこにこんな話題をアップすることもなかったろう。でも、それは本当に偶然にすぎないのであって、どうも報道を総合してみると、乗員の脱出誘導はかなり中途半端なものだったようだ。
 4か所のシューター全てを開放した機長の決断の素早さは認めないでもないが、それは2人の地上整備員(チャイナ・エアラインと委託先の日本トランスオーシャン航空)の勧告というか要請に基づくものだから、何も機長の独断というわけではない。4か所のシューターのどこにも下で受け止めたり誘導したりする客室乗務員の姿は見られなかった。最後に機長がコクピットの窓から慌てて這い出てきたところで大きな爆発があり、機外へ転げ落ちた。大変な大失態だが、脱出した機長を迎える台湾側の反応は日本人の感覚からすると常軌を逸していた。まるで「英雄の帰還」のような反応だったのだ。
 緊急来日したチャイナ・エアラインの社長は、謝罪会見で頭を下げたものの、国際法で目安とされる脱出時間90秒より早い60秒で脱出を完了できたことを、むしろ誇らしげに語っているように見えた。繰り返すが、乗客が脱出できたのはチャイナ・エアライン乗員の行動とはほとんど関係ない。むしろケガを負った数人に全面的な謝罪と補償を約束すべきだろう(ちなみにケガしてなくても事故機の乗客全員に見舞・補償金として23~28万円が配られるそうな。同じ事故に遭ってんのにエコノミーとビジネスの区分が必要か?)。
 事故調の調査が始まった翌日、もちろん事故調の了解をとった上で、だが、チャイナ・エアラインは事故機のロゴと尾翼のマークを白いペンキで塗りつぶした。イメージダウンを防ぎたかったんだろうが、その行為そのものがイメージダウンではないか。同社広報によると「国際慣例に従った」そうな。そんな慣例があったとは知らなんだ。何でも訊いてみるもんだ。

 ことここに至って、ようやく調べてみたのだが、ちょっと驚いた。

 まず機体としてボーイング737の事故率が高いのは、これは仕方ない。何故ならこの機体、現役で飛んでいる旅客機のなかで最も生産機数が多いから。分母が多けりゃそりゃ事故率も高まるわな。ちなみにボーイング737は細かなマイナーチェンジを繰り返しており、今や777が主力、次期787が作られようかって時代に、737-600以降の737第3世代(NGシリーズ=ネクスト・ジェネレーション)は未だに生産が続いている。事故機は737-800。最新鋭の737-900よりキャパは劣るが、航続距離は長い。

 問題は航空会社だ。知らなかったんだが、チャイナ・エアラインというのは、「西側先進諸国の航空会社の中では事故率が異様に高い」ことで知られているのだそうな。原因は、1つには台湾(中華民国)空軍の退役パイロットの採用率が高いこと、経営陣が台湾政府承認制のため安全対策の一貫性が採りにくい構造になっていること、など。「台湾政府の役人も、海外旅行の際は使用を避ける」とまで言われてるんだとか(そういえばC氏も来日するときはエバー航空を使うと云ってたよなあ)。
 ちなみに日本に乗り入れている航空会社の事故率(100万フライト当りの事故件数)は以下の通り(出典:AirSafe.com)。

7.60 エジプト航空
7.16 チャイナエアライン
6.83 トルコ航空
4.89 エアインディア
3.84 パキスタン航空
3.54 イラン航空
2.58 コリアンエアー
2.47 フィリピン航空
2.44 ガルーダインドネシア航空
1.60 タイ国際航空
1.50 シンガポール航空
1.45 キャセイパシフィック航空
1.36 日本航空
1.14 アシアナ航空
0.92 マレーシア航空
0.90 ヴァリグブラジル航空
0.81 KLMオランダ航空
0.74 ニュージーランド航空
0.73 アリタリア航空
0.59 アメリカン航空
0.55 エールフランス
0.37 ユナイテッド航空
0.33 エアカナダ
0.28 ノースウエスト航空
0.22 全日空
0.22 ブリティッシュエアウェイズ
0.19 スカンジナビア航空
0.19 ルフトハンザドイツ航空
0.18 コンチネンタル航空
0.16 デルタ航空
0.00 エミレーツ航空、ヴァージンアトランティック航空、フィンエアー、オーストリア航空、カンタス航空、エバー航空

 このうち台湾便は、チャイナエアライン、キャセイパシフィック航空、日本航空、全日空、エバー航空の5社。な? オレの衝撃も分かろうってもんだろ? 今後は断然エバー航空にしよう……って、あ、そうか。来年から台湾いかなくてもいいんだっけ。

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