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2007/09/03

ジャイアントロボ

 昭和42~43年の特撮TVドラマ。年代的にリアルタイムで観ていたはずはなく、当時頻繁にやっていた再放送を何度も観ていたんだろうと思われる。知り合いにまとめてDVDを借りた。ちょっと驚いたのはわずか2クール(半年)26話だけだったこと。あの頃の作品だから4クールはやってんのかと思ってた。DVDは2枚組が2組で構成されている。さーて、どっからツッコんだもんか…。

 「鉄人28号」、「伊賀の影丸」、「仮面の忍者 赤影」、「バビル2世」、「魔法使いサリー」、「コメットさん」、「マーズ」、「三国志」、「水滸伝」「三国志」などで知られる巨匠・横山光輝が原作。原作というか、TVシリーズと連載はほぼ同時スタートなので、今で云うメディアミックスのはしりみたいなことをやってたわけだ。オレは漫画版を読んでないので、TVシリーズとどう話が違うのか知らない。まぁ話は簡単だ。
 謎の宇宙人・ギロチン帝王率いる秘密結社BF団が、地球制服のために巨大ロボット「ジャイアントロボ」を開発する。別に独力で開発したんじゃなく、地球人の科学者を誘拐してきて設計させたんだが、その設計者である科学者が絶命寸前、本作の主人公である草間大作少年にジャイアントロボの操縦システムを託す。例の、音声命令で動かす腕時計型のやつだ。こいつは初回登録した人間の声にしか反応しない仕組みになっていて、大作少年は「偶然」ジャイアントロボの唯一の命令権者になる。かくして正義のロボットとなったジャイアントロボは、科学防衛組織ユニコーンの一員となった大作少年とともに、BF団との戦いを繰り広げていくことになる。

 いやもぉ、今みちゃうと恥ずかしいくらいひどい出来ではあるんだよ。ツッコミどこ満載。そもそも大作少年は、なんであの船に乗ってたの? 両親がほとんど出てこないような身元の明らかでない少年をいきなりメンバーにしてしまうユニコーンのセキュリティの甘さは、現在の内閣の身体検査の甘さに似ている。どうやら大作少年は学校に通ってるらしいが、どうやってユニコーンの仕事と両立させてるんだか。
 ロボの操縦システムも分からんわな。最初のうちは「メガトンパンチだ、ロボ!」「ま゛」とか云って命令も具体的なんだが、そのうち「頑張れ、ロボ」「ま゛」……って、ロボもよくそんな抽象的な命令きくよなー。シリーズ中、2度だけ大作少年の命令に背くシーンが出てくるんだが、ひょっとしてロボはスネたんじゃないか?
 それからBF団。時計うばったら壊せよ。みみっちいよ。ロボの電子頭脳を一時的に狂わせる怪光線を出せるんなら、ロボの音声認識をリセットしろよ。
 ユニコーンもすごいよ。たかがクソガキの力に頼んなきゃいけない程度の科学力しか持ち合わせてないくせに、破壊されたロボの修理は早いこと早いこと。

 ほんというと26話すべてのカットにツッコミ入れたいとこなんだけど、こっちもそんなヒマじゃないんでやめとくが、ともかくヒドいんだな。
 特撮の技術もヒドいもんだよ。聞くところによると、巨大もの特撮ってのはそれまで円谷の独壇場で、東映にもできると云いきった第1回作品が本作だったらしいんだが、それにしちゃあ…。特にヒドいのが飛んでくロボのミニチュア。

 でもね。懐かしさもあるんだろうが、あの頃のオレが夢中になって観てたのは事実なんだ。そりゃ背中に乗ったロケットで空を飛びたかったさ(どうやって方向転換してたんだ?)。ロボの手のひらの上に乗りたかったさ。何より単なる小学生が身元隠してスパイ活動したかったさ。
 脚本もひどいもんだったけど、メイン脚本家である伊上勝(井上敏樹の父親)は、あの当時の特撮作品のほとんど全ての脚本を手がけていたと云っても過言ではないから、オレは当時、伊上勝にずっと遊んでもらってたようなもんだ。それにしたって、他にメンバーがいるのに大作少年(U7)とU3(南十郎/伊東昭夫)ばっか重用する東支部長(伊達正三郎)ってどうよ?とは思うけどさ。
 役者で云うと、そうそう、伊達正三郎だよ。「スーパー・ジャイアンツ」の、ってつけようか? オレの印象は「宇宙鉄人キョーダイン」で堀江美都子の乳もんどった(ように見えたTVポスターがあった)ことしかないんだが。あとは「特別機動捜査隊」かな。
 東映ニューフェイスで宮内洋なんかと同期で、後に石井輝男にやたらと脱がされ、「プレイガール」に出てた片山由美子が一応ヒロインのポジション(ユニコーンのU5)にいるんだが、後から出てきたクソガキ(マリー花村/U6の桑原友美。当時少女雑誌で有名なモデルだったってことは後に知った)に座を奪われちゃってたな。
 敵役のほうは、実は割と有名どこが多い。まず最初はBF団日本支部長だったのにいつのまにかいなくなった丹羽又三郎は、なんつってもゲルショッカーのブラック将軍だな(あれ? 有名じゃない?)。じゃあこれはどうだ。途中出てきた幹部の1人、ブラックダイヤに、室田日出男。それから最終回の1つ前に出てきた吸血鬼ドラキュランの奥村公延といやぁ、伊丹十三の「お葬式」でずーっと死体役やってた人ね。最終回に小林稔侍がチョイ役で出てくる(その前の『キャプテン・ウルトラ』で準レギュラーだった影響か)のは結構有名な話だろ?

 最後に、これだけは触れとかなきゃいけない。懐かしさだけで「B」を「B+」にした理由だ。それはロボの造形。……なに? 飛んでるミニチュアをあれだけケナしたのに? うん、それはそうだ。あれはヒドいもんだった。けどね、通常の立ちスーツの出来はすごかった。ちゃんと金属のカタマリが動いている圧倒的な重量感が出てた。これは今みてもそうだ。別に東映に限らないが、そういうとこうまいんだよね。関節部分が蛇腹状ってのも良かったな。これはスーツの造形もよかったんだろうが、SEのつけ方も一役かってたんじゃないかな。「ま゛」ってのもSEか? いや、あーた、あの重量感を実感するだけでも一見の価値はあるって。

 最終回? そりゃ泣いたよ。当時は。今みたら……ひでー子ども騙しもいいとこだけどね。でも当時のオレが泣いたのも分かるなー。

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