« 北海道行④ | トップページ | 東京白景 09 »

2008/01/08

SP 第1~8話

 これもリアルタイムで観てたのに、全然アップできなかった作品。非常に変則的なクールで、11月から1月いっぱいまで放送される予定。昨年内は8話まで放送され、年末と年始の2週にわたって、4話ずつまとめて再放送された。

 警視庁警備部警護課第4係(機動警護班)の活躍を描く話……かと思ったら、主人公・井上薫(V6岡田准一)に特殊能力を持たせた。この設定が吉と出るか凶と出るか。今までのところは、なかなかにスリリング。
 係長の尾形総一郎(堤真一)は、東大法卒なのにキャリアを蹴ってノンキャリとして警察庁に入庁した変わり種(このへんの設定も普通ではない)。通常、警護課は警護の対象者(マルタイ)が特定されているが、第4係は「要請警護」に対応する「機動警護班」の位置づけ。尾形の下に4人の部下がいる。
 石田光男(神尾佑)は無口なバツイチ。笹本絵里(真木よう子)はルックスに似合わない男勝りな性格。山本隆文(松尾諭)は小太りで大食い、唯一井上の特殊能力に気づいていない道化的なポジション。最後の1人が井上。子どもの頃、両親をテロで亡くした経験から、五感が異常に発達し、嘘や身の回りの危機的状況を察知する「シンクロ」や見た光景を一瞬で記憶し映像として残す「フォトグラフィック・メモリー」といった特殊能力を身につけている。

 ほかに、警護課の変なオバちゃん(たぶん庶務係)原川(平田敦子)、保守的で尾形と対立する警護課長・中尾義春(江上真悟)、その上の理事官・西島勇司(飯田基祐)は一見やさしそうだがどうやら腹にイチモツ抱えていそうなキャラクター。井上と同期の田中一郎(野間口徹)は、警視庁公安部公安第一課所属。

 監督は「踊る」の本広克行。脚本は「GO」などの金城一紀。金城脚本で岡田准一・堤真一の組み合わせは「フライ,ダディ,フライ」以来ということになる。

 本作の売りはアクションで、確かにうまい見せ方をするのだが、どうにも殺陣が素人くさい。例の、細切れのカットを短くつなぐことでアクションっぽく見せるという今風な映像にはなっているのだが、一連の動作を見せる殺陣にはほど遠い。いったい誰が殺陣をつけてるんだか。

 EpisodeⅠ(第1話) マルタイは女性都知事・大川優子(大場久美子)。まぁ1話目なんで紹介編なのだが、うまくまとめている。危機を事前に察知した井上が「SPなのに逮捕」してしまったテロリスト(後の話にも登場)に、何とまぁびっくり、三代目魚武濱田成夫。大塚寧々の元ダンナですな。まいったな。オレ、こいつの詩集もってるよ。「俺には地球が止まってみえるぜ」とか「世界が終わっても気にすんな俺の店はあいている」とか「君が前の彼氏としたキスの回数なんて俺が3日でぬいてやるぜ」とか「駅の名前を全部言えるようなガキにだけは死んでもなりたくない」とか。冒頭のシーンはなかなか面白かった。意外と神経質で細かなことも指摘せずにいられない割には協調性に欠ける井上が、爆弾発言の連発で合コンをブチこわしにしてしまう件り。その合コン相手が、ゲキレンでケンの妹役をやってる井端珠里だったりする。

 EpisodeⅡ(第2~4話) マルタイは加藤純三(露木茂)元総理。ただし検査入院する病院が舞台。元軍人のテロリスト6人組に病院が占拠されてしまう。これってダイハードと同じじゃないのか? 真木よう子のチチのデカさに驚愕する回。テロリストの1人、沼田を演じたパク・ソヒは、「我が輩は主婦である」でペ・ヤングンを演じていた人と同一人物か?

 EpisodeⅢ(第5~7話) マルタイは、証券取引法違反事件の重要参考人、大橋正一( 片桐仁=マックのCMでウィンドウズをやってた人)。極秘警護なのだが、大橋の態度は傲慢で警戒心が高く、SPを信用しない。こういう警護に5人はいかにも手薄なのだが、上層部は尾形の増員要請を請け合ってくれない。しかし大橋は、4人の殺し屋に狙われていた。この殺し屋がなかなかシャレている。「リバプール・クリーニング」を名乗り、互いをポール、ジョージ、ジョン、リンゴと呼び合う。打ち合わせするレストランの店名は「イエスタデイ」。途中は面白かったんだけどラストがちょっとなー。まぁ現場の苦悩がよく描けているという評価もあるんだろうが、エンターテイメントとしてはカタルシスに欠けるというか。

 Episode0(第8話) 最終エピソード突入を前に、井上の過去を描く話。井上の両親が殺された原因は、ある人物を狙ったテロの巻き添えをくったため。助かった麻田雄三(山本圭)は当時、何故か笑っていたことが、井上の幼い記憶に鮮明に残っている。麻田雄三、現在の内閣総理大臣である。実はテロ現場に、偶然居合わせていたのが、学生だった当時の尾形だった。尾形は独自に20年前の事件を追いかけており、犯人、すなわち井上の両親を殺した男、山西一弥(平田満)を刑務所に訪ねてもいるが、未だ前後の背景は謎に包まれたまま。そうした事情を斟酌したかしなかったか、尾形は井上の高い能力に惚れ込み、自らの麾下に迎え入れることを決意する。最初は懐疑的だった尾形の部下たちも、(山本を除いて)石田と笹本は、徐々に井上の能力に気づいていく。一見不真面目に見える井上の態度が、実は「今が安全である」ことのシグナルであることも。

 最終シークエンスの出来にもよるが、今んとこ期待していい作品だ。最後のマルタイは、麻田総理である。

|

« 北海道行④ | トップページ | 東京白景 09 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 北海道行④ | トップページ | 東京白景 09 »