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2008/06/15

チャーリー・ウィルソンズ・ウォー

 「大いなる陰謀」と同じくアフガニスタンを扱った作品ということで、監督マイク・ニコルズ、脚本アーロン・ソーキン、トム・ハンクスとジュリア・ロバーツが競演と聞いては、もうちょっとカタルシスを得られるものになっているはずという甚だミーハーな気分で見に行った作品。

 6月1日の映画の日、有楽町は日劇プレックス(マリオン)にて鑑賞。この日、3本みたのだが、最初の1本が本作。オレは問題なかったが、一緒に行ったうちの奥さんが「後ろの席の莫迦造に座席を蹴られてて集中できなかった」と苦情。後にもっとひどいことがオレ自身にふりかかってこようとは、このとき思いもよらなんだ。

 チャーリー・ウィルソン、本名チャールズ・N・ウィルソンは、テキサス州選出・民主党所属のアメリカ下院議員(当時)である。本作は、彼自身がジャーナリストのジョージ・クライルに語った伝記(2003年)を原作としている。
 ウィルソン議員は、それまでちゃらんぽらんを絵に描いたような人物だった。秘書は美女ばかり揃えて「チャーリーズ・エンジェル」を名乗り、昼間から酒を呑む。ところがアフガニスタンの現実を実際に目にした途端、大きな疑問を抱く。すなわち、「アメリカは何故アフガニスタンを支援しないのか」。そこへ現れたのがCIAの専門家(フィリップ・シーモア・ホフマン)。曰く「アメリカが直接支援すれば、ソ連(当時)との全面代理戦争になってしまうから」。したがって支援するにもアメリカ製(西側製)の武器は与えられない。作戦は極秘に進める必要がある。動き出したウィルソン議員は、下院国防委員会を抱き込み、当初500万ドルにすぎなかったアフガニスタン支援CIA秘密予算を、7年で10億ドルまで膨らませることに成功する。これによりムジャヒディンが東側の最新兵器を得て、ついにソ連撤退を実現する。

 云ってみればそれだけのストーリーで、ほとんど挫折なく進むあたりエンターテイメントとしては失格なのだが、確かに「大いなる陰謀」にはなかったカタルシスが存在する。
ただし、残念ながらもう1つは「大いなる陰謀」と共通してしまう。すなわち、あくまでもアメリカの傲慢な正義を土台にしている、という意味において。
 ラスト近く、最新のロケットランチャーを手にしたムジャヒディンがソ連のヘリ(ハインドD)を撃墜することに成功するシーンで、チャーリー、すなわちトム・ハンクスはガッツポーズをとってみせるのだが、つまりそれは敵であれ人の死を喜んだということだ。もちろんソ連にはソ連の言い分があろう。何も味方をするつもりはないが、かといってアメリカだけに正義があるわけでもない。ソ連を絶対悪と見なさなければ、とても正視できない映像の羅列とすら云えてしまうのだ。
 ちょうど「トップガン」の頃、このテの映画が沢山あった。「ロッキー4」とか「ホワイトナイツ」とか。その頃の話だな。変な符号なのだが、敵役として登場するミグとして、タイガーを黒く塗って代役に充てていた。この手法、「トップガン」と全く同じなのである。

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