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2008/10/15

クライマーズ・ハイ

 あんま詳しくは書けないが、オレにとって本作は「観に行かなくちゃいけない映画」だった。その期待には、応えてくれていたと思う。それにしても……あの事件は娯楽映画で語られるまでになったかと思うと感慨深いものがある。特に日本の場合、このテの作品をやろうと思ったらいろいろ気を遣わなきゃならん側面がある。そこをクリアするまで時間がかかったわけだ。残念ながら気を遣いきれてない側面もあったが。予告編で「フライング・ラビッツ」(JALのバスケ部の話)を流すなよ。そりゃマズいだろ。

 云うまでもなく本作は、日航機事故に対する地方紙の報道姿勢を扱った作品である。オレは原作もドラマ(NHKでやってたんだそうだ)も観てないが、映画でやるからには観ないわけにゃいくまい。何せ日航機事故、地方紙、両方にかかわりがあるんだから。

 群馬県の地方紙ってんだから、上毛新聞なんだろうな。モデルは。そうそう、地方紙って、あんな感じ。建物(内部)の造りも、妖怪じみた社主がいたりすんのも、一昔前は名物だった気がする。トラックのトリックなんて、あれはある種、最後の常套手段みたいなもんだ。
 日航機事故そのものは、さすがに映像に残されていない部分までは描けなかったか、変に綺麗だ。オレの印象では、白と黒、ただその2色だけの世界だったはず。まぁそこまでは求めないよ。娯楽作なんだから。それに、描かれるべきは、日航機事故そのものではなく、それに対する報道姿勢のほうなんだろうから。
 加藤正人、成島出、原田眞人による共同脚本はともかく、原田眞人の監督は、相変わらずカット数の多さでサスペンスを盛り上げるが、人間の内面をえぐり出すところまではいっていない。現代の話と最終的に収斂させるところで、かろうじて主人公の成長譚には踏みとどまったか。佳作というか及第点はあげられそう。

 主役の堤真一は安定感が出てきた。遠藤憲一、田口トモロヲ、堀部圭亮、螢雪次朗、山崎努といった脇役陣は心配していない。堺雅人がどうにも好きになれない(不必要なとこで笑う演技を、オレは認めない)が、本作キャスティング最大の収穫は、勝ち気な女性記者を演じた尾野真千子だろう。いやぁ、今年27? 今まで何で目にとまらなかったんだろう? 何せ河瀬直美の目にとまり、「殯の森」でカンヌまで獲ってんのに。

 個人的理由から評価対象外。


 ……全然関係ないんだが、本作は上野スタームービーで観た。面白い劇場だ。ロードショー館なのに名画座の香りがぷんぷんする。設備は古いし汚いが、特集上映にやる気を感じた。何せオレが本作を観たときの予告編は、赤城圭一郎特集だぜ。改めてスクリーンで観ると、やっぱカッキーな。

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