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2008/11/10

さらば仮面ライダー電王

 お初。王子シネマにて鑑賞。雑居ビルの上のほうの階にある小さな劇場。その意味では無理矢理シネコンと呼べなくもない(呼ばなくていい)。キャパがこぢんまりしてるし、若い兄ちゃんが従業員やってるから大したことは期待できないが、それだけにいつ行ってもガラガラな館内を楽しめるという利点がある。そこが利点かと訊かれれば、後から座席を蹴られるたびに殺意がめばえるデカいシネコンに比べれば、利点であると確信をもって云える。ただしスクリーンは狭いしPAも貧弱。人間、何かを得ようと思ったら何かを捨てなければならないという好例である。

 さて本作は同一軸上にある映画化作品としては3作目にあたる。云うまでもなくTVシリーズの延長として第1作が公開され、TVシリーズの終了直後に2作目が公開されるという、この類の作品にしては異例の人気を得た。その上で本作があるわけだが、結論から云うと最もマトモというか、ちゃんと映画になっている点で特筆すべき作品であると云える。
 1作目はともかく2作目は明らかに話なんかどうでもよく、お祭り騒ぎを楽しむためだけの作品だった。対して本作の場合、ちゃんとストーリーがあるのだ! この種の作品にストーリーテリングなんざ求めちゃいなかった側としては、嬉しい誤算である。

 スタッフ・キャストともレギュラーシリーズをそのまま引っ張っている。ただしゲストというものがいて、松村雄基の相手役が神田沙也加という年齢的ギャップには驚かされた。かなり無理があるがギリギリ不自然に見えないのは、明らかに松村雄基によるところが大きい。というか全部だろう。
 話のほうは、未来から良太郎くんの孫がやってくるところから始まる。過去、過去、ときて未来。バック・トゥ・ザ・フューチャーをあげるまでもなく、これはもう定番の展開である。してみると次は「もっと過去」か? しかし1作目でやってるしなあ。え? 次があるのかって? あるかどうかしらんが、制作者サイドの野望は感じたぞ。だって「さらば」と冠してはいけないラストになってるんだもん。世間の定番から考えても、「さらば」の次は「新たなる」か「永遠に」でしょう。

 さんざん褒めたが(褒めたんだよ?)、本作、というか本シリーズ最大にして最悪の欠点を1つ。TVシリーズから見続けていないと展開が理解できないのだ。もはや脚本家は、世界観を説明する手間を一切放棄している。そういう作品を劇場公開するというのは、マーケティング上のターゲットを限定していることにほかならない。マーケティングとしては、例えば「マニアにカネをかけても無意味」と発言したウルトラマン(円谷が吸収された親会社)に比べれば正しいかもしれないが、映画づくりとしてはサイテーである。

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