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2008/11/14

バンテージ・ポイント

 借りてきたDVDにて鑑賞。原題も「Vantage Point」。

 たった1つのアイデアでここまで見せることができるのか、と感心した。発想の源は恐らくクロサワの羅生門だろう。ただし、もっと突き詰めた感じ?

 舞台はスペイン、サラマンカ。テロに対抗する歴史的な調印を終えたばかりの合衆国大統領が、訪問先の広場で演説する。ところが大統領は狙撃されてしまい、直後に広場で大爆発が起こる。前半のストーリーはこれだけ。これだけなのだが、主人公(視線)が「毎回」違う。爆発が起こったところでテープを巻き戻すように(実際そういう映像が流れる)大統領到着前に場面が戻り、別の人物の視点から再び爆発が起こるまでを描く。この繰り返し。8人分、そうした映像を繰り返し繰り返し流す。ただし、視点が違うので毎回まったく同じ映像ではなく、さっき見た映像とは異なる角度から見ると再発見があったりして、少しずつ、ほんの少しずつ話が進んでいく。そのたびに、徐々に意外な全容が明らかになり、さらに話は進んでいく。

 なるほど。こういう手法があったか。黒澤明の羅生門とは書いたが、アプローチは「24」かもしれない。ちょうど初期の「24」のCM前後のマルチ画面がこんな感じだわな。いや、パクッてるというのではなく、恐らくは「24」のような連続サスペンスを映画で見せる最も効果的な方法は何かを追及した結果が本作のアプローチではないかと思えるから。複数の同時刻の視点を同時に見せる。連続ドラマならじっくり解き明かすことができるけど、映画だと観客の頼りない記憶に頼ることができないのでなかなか難しい。そこを解決する手段が「繰り返し」だったとは…。

 同じ「実験」でも金持ちのボンボンがカネにあかせてやる青臭いものはカンに障るが、こういうのは大歓迎だ。

 監督(ピート・トラヴィス)、脚本(バリー・レヴィ)ともオレは全然しらん。キャストは割とメジャーどこが多く、デニス・クエイド、シガニー・ウィーバー、マシュー・フォックス、フォレスト・ウィテカー、ウィリアム・ハートなどなど。

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