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2009/05/16

まぼろしの邪馬台国

 結果的に去年最後に劇場で鑑賞した作品。といっても確か11月くらいだったはず。その後年末の忙しさにまぎれて見逃し続けた。

 同名の原作は、第一回吉川英治文化賞を受賞している。作者であり主人公でもある宮崎康平は、鉄道会社社長の傍ら郷土史家をも務めた人物。その宮崎の半生と邪馬台国九州説とを同時に記述したのが本作の原作である。
 邪馬台国の「場所」には大きく九州説と畿内説があるが、そもそも「邪馬台国はどこにあったのか?」論争の火付け役となったのが本作の原作であると云っていい。ちなみにオレは「九州から畿内へ移動した」説をとっている。

 宮崎康平は盲目のワンマン社長だ。だが情にも篤く、それが故に取締役会から社長職を罷免されてしまう。そこから邪馬台国探求の人生が始まるのだが、彼を支え続けた和子夫人との交流が本作のメインストリームとなっている。前述の第一回吉川英治文化賞は宮崎だけにでなく、夫婦2人に贈られたものだ。

 話の展開は悪くない。大石静の脚本は、原作をよく消化できている。しかし和子夫人役の吉永小百合がよくない。断っておくが吉永小百合には何の罪もない。罪があるとすればあまりにも美しく素晴らしい女優であることだ。それ故に宮崎康平役の竹中直人もデレデレ。監督の堤幸彦もグダグダ。結果的に本作は、「いかに吉永小百合をかわいく美しく撮るか」がテーマになってしまっている。それ自体は決して間違っていない。というか大歓迎だ。だが、それならばタイトルが間違っていよう。

 本作に対するオレの評価は、「ヒドいのでB。でも吉永小百合が出てるのでA-」(二階級特進かよっ!?)ではない。そうではなく「吉永小百合映画なのでA+。でもタイトルがまぎらわしいのでA-」なだけだ。間違わないように。


 ……以上で去年みた劇場公開作品は終了。なので本来であれば次は総括といきたいところだが、そうもいかない。「未」があるので。でもそれを消化するには手順が必要なのだ。総括までにはあと1週間ほど必要だろう。

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