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2009/05/09

ハッピーフライト

 どこだったかも忘れたが間違いなく劇場で鑑賞。

 何とシナトラの「Come Fly With Me」を主題歌に採用している。前にも書いたが、この曲自体が当時のトランス・ワールド航空とのタイアップ曲なのだ。まさしく本作にマッチしてはいるが。

 本作は、旅客機が離陸して着陸するまでの話だ。ほかには何もない。何もないが、そこが妙におかしい。要は、一般にはあまり知られていない航空機業界の日常を、1便のフライトを通しておもしろおかしく描いたコメディだ。変な演出をつける必要はない。よく取材していて、その取材結果を画面に蓄積するだけで、笑いになる。これは何も航空機業界に限ったことではなく、恐らくどんな業界にも「業界の常識は世間の非常識」といったことがあるのではないか。こういう形のエンターテイメントもあるというわけだ。

 キャストは、ともかくいっぱい出てくるし、みんな芸達者な役者ばかりなのでいちいち言及しない。CGも使われてはいるが、大半のシーンは本物を使うことができており、足りない部分はミニチュアが多用されている。そこで特撮監督に佛田洋が起用されているあたりが笑えてしまう。戦隊ものや仮面ライダーシリーズなどで有名な人だが、最近は一般映画への進出もめざましい。最近だと「男たちの大和 YAMATO」あたりか。ちょうど戦隊・ライダーを手がけつつ、年に一度のペースで一般映画に参加するような格好だ。

 さて、オレは本作を全く評価していない。

 いや、勘違いしてもらっては困る。前述したように綿密な取材に基づいて再構成するだけで良質なコメディに仕上がるという意味で、非常に高い娯楽性を有しているし、実際に楽しめもした。しかし、それは、これが普通の映画であれば、の話だ。

 本作の監督・脚本は矢口史靖である。東京造形大時代にPFF(ぴあフィルムフェスティバル)で優勝後、「裸足のピクニック」で商業作品デビュー。以降、「ひみつの花園」、「アドレナリンドライブ」、「ウォーターボーイズ」、「スウィングガールズ」と作品を重ねてきた人物である。その矢口史靖監督・脚本作品と聞けば、期待するなというほうが無理だろう。ところができあがってきたものはどうだ。ありていに云えば、多少ねじ曲げたドキュメンタリーみたいなもんだ。これなら真正面からドキュメンタリーを撮ったほうが、よほどそこはかとないおかしさが出たのではないか。実際、本作の取材過程で得た知識や映像を基に、連作ドキュメンタリー「FLY! FLY! FLY!」が作られているのだが、正直いってこっちのほうが面白かった。

 普通の映画なら、文句なく満点だ。だが矢口作品としては、全く評価できない。

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