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2009/07/27

ターミネーター4

 6月29日、有楽町にて鑑賞。気づけばもう1か月経ってたのか。

 云わずと知れたターミネーター・シリーズの4作目。ただし2作目をもって本来の創作者であるジェイムズ・キャメロンは監督を降りているし、本作は「2」と「3」の間を描いたTVシリーズ「サラ・コナー クロニクルズ」とは無関係な立場にある。さらに本作の監督、マックGによると、本作は「新3部作」の第1作にあたるのだとか。
 近年この種のシリーズ新展開は数多いが、要するに本作はもはや「ターミネーター」とは呼べなくなったということだ。同じタイトルの何か別のものである。しかし、それが本作のクォリティを引き下げることを意味していないのは立派と云うべきか。

 過去3作で、登場人物たちの話のなか(あるいは回想シーン)のみで描かれていた「審判の日」以降、レジスタンスたちとスカイネット機械軍団との死闘を描くのが本作の基本プロット。ちょうどスターウォーズのエピソード1のような趣きか。
 本シリーズは、機械に支配された未来社会から、レジスタンスのリーダーであるジョン・コナーを亡きものしようと、その母親となるサラ・コナーを抹殺するべく、人間に擬態したアンドロイド「ターミネーター」が送り込まれてくるところから始まる。その行為を阻止するため、同じく未来から送られてくる戦士がカイル・リースだ。サラはターミネーターT-800の阻止、解体に成功するが、その過程でカイルを亡くしてしまう。だがその直前、サラはカイルの子供を身ごもっていた。これが後のレジスタンスのリーダー、ジョン・コナーだ。
 「2」では少年に成長したジョンを抹殺しようと、T-800を超える能力を持つT-1000が送られてくるが、それを阻止するため、今度はレジスタンスに再命令されたT-800も送られてくる。コナー母子は、未来社会が機械に支配される原因となるコンピュータ、スカイネットを後に開発することになる人物を抹殺(実際は自殺)することで、「将来の禍根」を絶つことに成功。T-800もT-1000もろとも消滅する。これにより、本シリーズは確実な終わりを迎えたのだが…。
 時間流への干渉は、自然治癒力によって修正される、という説がある。1つの結果に至る原因を排除しても、別の異なる経緯によって、やはり結局は同じ結果に至ってしまう。「3」では、「審判の日」(起動したスカイネットによって引き起こされる『自動』核戦争)だったはずの日を無事やりすごしたジョン・コナーの前に、最強のターミネーターT-Xが現れる。阻止するため送り込まれた改造型のT-850に、「今日」がまさしく歴史干渉後の新たな「審判の日」であると告げられたジョンは、スカイネット誕生を阻止するため奔走するが、結局は歴史を変えられないまま終わってしまう。

 本作では、「審判の日」以降、レジスタンスに参加したジョンが主人公だ。激しい戦闘のさなか、ジョンはスカイネットが「人間狩り」に固執する理由を突き止める。汎用殺人型ターミネーター(銀色の骨格のみ)T-600に人間の生体細胞の皮をかぶせて擬態させる――初の潜入型ターミネーターT-800の開発計画に着手していたのだ。さらにジョンはレジスタンス上層部からスカイネット総攻撃作戦の理由を聞かされる。スカイネットが暗殺すべき人間のリストを作っていて、そのなかにジョン・コナーの名があるから。ただしジョンの名は2番目だった。筆頭に掲げられていたのは、この時点では無名の少年であるはずのカイル・リースの名だった。

 制作者が変わっているのだから当たり前といえば当たり前だが、まさかジョン・コナーというキャラクターがここまでシリーズ全体を引っ張るとは思いもよらなんだ。だって「1」では、存在すらしてなかったんだぜ? しかもシリーズ中一度も、同じ俳優が二度演じたことのない役だ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン版を除く)。「2」では現代の少年ジョンをエドワード・ファーロングが演じ(回想シーンで成人したジョンが登場するが、これは無名の役者)、「3」ではニック・スタールが演じた。本作ではクリスチャン・ベールだ。いろいろ大人の事情があるのかもしれないが、ターミネーター側の役者交代にちゃんと理屈をつけてあることを考えると、なんだかなあという感じ。ちなみに「3」でジョンと一緒に生き残ったケイト・ブリュースターは、本作でケイト・コナーになっているが、役者もクレア・デーンズからブライス・ダラス・ハワードに交代している。リンダ・ハミルトンがサラ・コナー役で登場するのだが、これは声のみの出演。カイル・リースは子役なので、違う人がやるのは当たり前だ。もっとも「1」のマイケル・ビーンなんてもう52歳だから、今後でてくるにしてもさすがにねぇ。
 T-800は、さすがに現職のカリフォルニア州知事を出演させるわけにいかず、ローランド・キッキンガーというボディビルダーが演じているが、顔だけ「1」の頃のシュワルツェネガーを合成している。CGあれば何でもやり放題だなあ。

 ――とまぁ、ここまではマックG特有の、旧作へのオマージュ部分。それだけだったら、続編を作った意味なんてないんだが、それにとどめなかった。本題とは全然関係ないんだが非常に重要なキャラクターとして「マーカス・ライト」なる人物を創造し、この存在は本作を全く異なる「味」に仕立てている。賛否両論あろうし、本作の設定と矛盾する人物でもあるのだが、その意欲だけはかおう。
 ところで、このマーカス・ライトを演じる役者の名前、日本語では「サム・ワーシントン」と表記してあって違和感をおぼえた。名字は「Washington」なのかと思ったら「Worthington」だった。なるほど、それなら区別する意味でもこの表記じゃなきゃまずいか。

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