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2012/03/05

半落ち

 遡り篇。たぶん去年の暮れくらいにCSで鑑賞。のはず。

 横山秀夫の原作は未読である。まあ田部俊行と佐々部清の共同脚本は、一部の登場人物の性別を変更したくらいで、驚くほど原作に忠実だそうだから、問題あるまい。監督は佐々部清。いや、実を云うと原作、「読みたくない」のだ。それは決して横山秀夫のせいではない。他の作品ならいくつか読んだ。しかし、大論争を巻き起こしてしまった、例の直木賞落選の一件が、どうにも鼻につくので、読みたくない。読まないようにしている。

 シャシンとしての本作は、なかなかに重厚だ。

 主題ともなった「半落ち」(半分落ちる=自供すること)状態の梶聡一郎(寺尾聰)を主人公に据えながら、志木和正(柴田恭兵)、佐瀬銛男(伊原剛志)、中尾洋子(原作では洋平、鶴田真由)、植村学(國村隼)、藤林圭吾(吉岡秀隆)、古賀誠司(笹野高史)と、次から次へと物語の主体(語り部と云ってもいい)が変遷していくという非常に珍しいストーリーテリングは、かなり練られたものだとは思う。

 だが、これ、果たしてシャシンにする必要があったかどうか。

 間にCMの入る民法TVでドラマ化したほうが、よほど良かったのではないか(事実、TV朝日でリメイクされている)。これを映画でやることの意味が分からない。そいでもってこれを日本アカデミー賞に推しちゃうあたりが分からない。2005年って、そんなに不作な年だったっけ?「スウィングガールズ」でも「下妻物語」でも良かったじゃん? それとも映画って、そんなに娯楽ではなく権威を求めたがるほどに堕落してしまったのか。

 中身とは関係ないところで考えさせられる作品ってのは、シャシンじゃないような気がする。

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