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2012/07/30

十三人の刺客

 7月2日、CSを録画して鑑賞。三池崇史の監督作で初めて感心させられたんじゃないかなあ。工藤栄一監督による同名作(1963年)のリメイク。とはいえオレはオリジナルを観ていない。

 話は、さして新鮮味があるわけではない。時に弘化元年(1844年)。時の将軍の異母弟にあたる明石藩主、松平斉韶の振る舞いは暴虐かつ無法なもので、そのため明石藩江戸家老、間宮図書の切腹、憤死までをもたらした。しかし斉韶には「お咎めなし」。この悪逆非道な斉韶の老中内定を知った大炊頭、土井利位は、やむなく暗殺を決意。その任を御目付役、島田新左衛門に託す。意を受けた新左衛門は自らを含めた13人の刺客を揃え、参勤交代(帰国)途中の中山道・落合宿で、斉韶を討つこととした。

 物語の後半、約1時間ほどは、この13人の刺客による斉韶ら一行への襲撃に始まる殺戮シーンだけで構成されている。にもかかわらず目が離せない。素晴らしいの一言。もともとオリジナルも集団抗争時代劇のはしりのような作品だそうだが、13人対53騎を本作では13人対300人にボリュームアップして臨んだ。山形県鶴岡市の庄内映画村に東京ドーム200個分の宿場町をオープンセットで再現。「動くバリケード」やら「火のついた豚」なんかは思い切りCGだが、肉弾戦のほうはCGを排除した殺陣ばかりになっているのが嬉しい。

 13人の刺客のうち、主役・新左衛門である役所広司の安定感は当然だし、松方弘樹の殺陣のうまさも当たり前、伊原剛志が強そうに見えるのも分かる。意外なほど殺陣がうまく見えた(しかも当初は槍)のが古田新太と六角精児。沢村一樹と波岡一喜もまぁ合格点といったところ。難しい役どころを無難にこなしていたのが伊勢谷友介。石垣佑磨、近藤公園、高岡蒼甫、窪田正孝あたりはどうでもいいとして、許せないのが山田孝之。雰囲気ぶちこわしなほど下手くそ。それと斉韶を演じた稲垣吾郎がびっくりするほど下手くそ。意外性が欠片も感じられない。せっかく市村正親、平幹二朗、松本幸四郎、岸部一徳といったベテランがまわりで熱演してるんだから、もうちょっと何とかならんかったか。それと、これは役にめぐまれたと云うべきだが、茂手木桜子が素晴らしい。

 脚本は今村昌平の長男、天願大介。遠藤浩二の音楽が素晴らしい。話の邪魔をせず、しかし印象に残る旋律。映画音楽の見本のような音楽だ。ことにあのバイオリンの多重奏によるメインの曲は秀逸。

 オリジナルのスタッフが、脚本・池上金男、音楽・伊福部昭、出演・片岡千恵蔵、里見浩太朗、嵐寛寿郎と聞くと、観たくなっちゃうなあ。

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