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2012/07/26

インセプション

 6月20日、録画しておいた地上波放送を鑑賞。故に吹替版。

 いや、素晴らしい。正直云って事前にかなり莫迦にしていたのだが、こんな完成度の高い作品だとは知らなかった。新バットマンシリーズのクリストファー・ノーラン脚本・監督。本人は10年以上前から構想があったそうで、ワーナーが脚本を買ったのが2009年のこと。原題はまんま「Inception」。

 人の夢(潜在意識)に入り込むことで「アイデアを盗む」企業スパイ、ドム・コブ(レオナルド・ディカプリオ)が主人公。まず、この設定が何とも素晴らしい。ディック的というかギブスン的というか。はたまた神林長平か伊藤計劃か。映画で云えば「マトリックス」なんだろうが、あんなオモチャより遙かに説明が上手。
 この「アイデアを盗む」行為をエクストラセプション(Extraception)だとすれば、「アイデアを植え付ける」(思い込ませる)のがインセプション。
 コブは、大企業のトップであるサイトー(渡辺謙)から、まさしくこのインセプションを依頼される。ライバル会社の解体を、現社長の息子にやらせるよう、知らないうちに植え付けるわけだ。ある種の洗脳と考えていい。
 難しい依頼なのだが、コブにも弱みがあって、妻の殺害容疑を抹消することを条件に、引き受ける。インセプションを実現させるためコブが集めたのが、その道の専門家たち。古くからコブの相棒だったアーサー(ジョゼフ・ゴードン・レヴィット)、夢の世界を構築する「設計士」アリアドネ(エレン・ペイジ)、夢の世界のなかで他人になりすます「偽装師」イームス(トム・ハーディ)、夢の世界へと誘う鎮静剤を作る「調合師」ユースフ(ディリープ・ラオ)。
 もちろん、スンナリ成功するわけがなく、様々な障害が待ち受ける。ここに大きく絡んでくるのが、コブ自身の過去、すなわち妻の殺害容疑だ。

 かなり複雑な話だし設定・世界観がそもそも複雑。これを淀みなく、つまりストーリーの流れを阻害することなく説明し、なおかつプロットに破綻をきたさない手法は素晴らしい。ラストは「他に考えられない選択肢」で終わるのだが、いや、それで正しい。まさしく他に選択肢はないのだ。その意味で良い帰結である。

 正直なところ、コブの過去の話を絡ませたのはどうか。本来のエクストラセプションをもっとじっくり見せてほしかったという思いはあるのだが、まぁそれじゃ成立しまい。

 ディカプリオと渡辺謙を除くと、ほとんど知ってる役者が登場しないが、チョイ役で結構大所が登場する。トム・ベレンジャー、ルーカス・ハース、マイケル・ケイン。ルーカス・ハースは「刑事ジョン・ブック 目撃者」に登場した子役である。

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